先週末に久々に劇場で観た映画はこちら、アメリカ映画『魔女がいっぱい』。
1960年代の豪華ホテルを舞台に、魔女達の邪悪な計画を知ってしまった少年が、ネズミに変えられてもその仲間達と奮闘するファンタジー物語。
原作は「チャーリーとチョコレート工場」で知られる児童文学作家ロアルド・ダール。監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」などのロバート・ゼメキス。
ジョニー・デップ主演の「チャーリーとチョコレート工場」も、マイケル・J・フォックス主演の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」もとても面白かったし、今回アン・ハサウェイが邪悪な魔女を演じるとのことで興味が湧き観に行ってきた。
けれど内容が子供向けだったのと、最後は当然こうなると予想していたのと違ったので、ちょっと肩透かしを食らったような気分で映画館を後にした。
でも登場人物達にとっては、ハッピーエンドだったのでそれで良かったのかな。
どういう運命になったとしても、与えられた人生を精一杯生き楽しもうって意味が込められているのかも知れない。
アン・ハサウェイの邪悪なボス魔女ぶりは、相当インパクトがあった。
今までの役柄とあまりにもイメージとかけ離れていて、目を見張るものがあった。
笑っちゃうくらい、生き生きと演じていたな。
口裂け女のような口がクワッと割けたアップなんて、昔の恐怖漫画、楳図かずおの『へび女』も真っ青な感じで、小さい子が観たら泣き出しちゃうかも。
後、閉じた口でも割けているのが分かる顔は、先日までやっていたオモロかったドラマ
、こちらの『極主夫道』での竹中直人の顔も思い出した。
今までに物語や映画などで登場した魔女って、良い魔女と悪い魔女色々いたけど、この物語では、魔女は邪悪で「子供が嫌い」という設定だった。
内容的にはちょっと納得いかないところもあったけれど、豪華なホテルと魔女軍団が皆お洒落で、素敵な60年代風ファッション等映像的には色々楽しめた。
魔女が 次々空中を舞うシーンなども面白くて。クリスマスの雰囲気にも少し浸れたし。
全般を通してとても良かったのは、主人公の強く明るい祖母役を演じたオクタヴィア・スペンサー。
この女優さんは、以前観た『シェイプ・オブ・ウォーター』ではアカデミー助演女優賞候補に、アカデミー作品賞に輝いた『グリーンブック』では、製作総指揮を務めていた凄い方だったのですね!
冒頭、主人公の黒人少年が車の事故で両親を亡くし、このオクタヴィア・スペンサー演じる祖母の家に引き取られるのだけど、事故で娘を亡くし自身悲しみのどん底にいるはずなのに、美味しい食べ物や音楽で何とかこの孫を元気付けようと明るく励ます。
そのレコードや音楽に合わせて祖母が陽気に踊るシーンも何とも明るく温かい場面だった。
そのシーンで流れたのがどちらも60年代に流行った、私も好きだった懐かしの曲。
こちら、ザ・フォー・トップスの「Reach Out I’ll Be There」(1966年)と、オーティス・レディングの「Sitting On The Dock Of The Bay」(1968年)。
後で調べたら、ザ・フォー・トップスの「Reach Out I’ll Be There」は、1960年代のモータウンを代表する楽曲だそうだ。
映画の中では、このレコードをかけながら、両親を失った孫に「さぁ、私に手を伸ばして」と一緒に歌いかけていた。
「ソウルの王」と呼ばれた、アメリカのシンガーソングライターであるオーティス・レディングは、ソウル界に多大な影響を与えたけれど、この「ドック・オブ・ザ・ベイ」を録音した3日後の67年12月に飛行機事故で26歳という若さで亡くなってしまったそうだ。
これらの久々に聴いた懐かしい曲とまた出合えただけでも、この映画を観た収穫があったような。
映画の後半、ネズミがたくさん出て来るシーンでは、孤独な少年とネズミ軍団のボスであるベンとの友情を描いた70年代の映画『ベン』と、その主題歌『ベンのテーマ』を歌ったまだ少年だった頃のマイケル・ジャクソンを思い出した。
ネズミ関連の作品ってことで、序にこの曲もご紹介を('◇')ゞ
天使の歌声のようなマイケルの声といい、とてもいい曲だったので。
☆ ☆
11月は観たい映画が多々あったのだけど、色々立て込んでいて映画館に一度も足を運べなかった。
でも先月テレビで観た映画では、クリント・イーストウッド監督・主演の『運び屋』と、久々に観た『ノッティングヒルの恋人』が、どちらも余韻が残り良かったな♪
昨年公開された『運び屋』は、見たかったけど見逃してしまった映画で、家族と疎遠になってしまった87歳の老人が車の運転が出来るということで、麻薬の運び屋をやっていた実話に基づいた話だ。
シリアスな内容でも、前作と違い明るいタッチで生き生きと運び屋を演じていたクリント・イーストウッドは、実年齢も90歳でホント凄いなと思った。
後半、麻薬捜査官との触れ合いシーンも心に残ったし、ジーンと来たエンディングで流れた味わい深い曲もその歌詞と共にとても良かった。
『ローマの休日』を彷彿とさせるようなラブコメディである『ノッティングヒルの恋人』は、テレビでもう3回目位だったけど、エルビス・コステロのロマンチックな『She』の曲と共に何度見ても幸せな気分に浸れる映画だ。
出て来る会話もウイットに富んでいて、心に残る台詞に毎回グッと来る。
主人公の妹や周りの友人達も皆個性豊かで温かく見る度に大好きになり、今年はこんな時だからこそより温かい気分に包まれたような。
さすが、『イエスタディ』や『アバウト・タイム』『ラブ・アクリュアリー』など、大好きな心温まる作品を手掛けたリチャード・カーティスの脚本だ。
ではまた(^^)/