つるひめの日記

読書、映画、音楽、所属バンド等について日々の覚え書き。

映画『ミナリ』と、久保田早紀『異邦人』の音楽秘話について

 

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先週土曜、映画『ミナリ』を観に行って来た。

公開から半年遅れで上映される近隣の小ホールでの名作劇場

前回観たのは『朝が来る』で、通常千円のところこのサイトかチラシの提示で800円で観られるのだ(‘◇’)ゞ

土曜とはいえ、そのホール前には人が大勢いて、ワクチン接種会場も同じ敷地内だけれど、まさかこの名作劇場にこれほどの人が押し寄せて来るはずもないよなと不思議に思ったら、その隣、大ホールでのイベント「プリキュアドリームステージ」を見に来た人たちだった。「プリキュア」って特に子供たちからそんなに人気があるのね^^;

 

映画『ミナリ』は、アカデミー賞で『ノマドランド』と作品賞でも競っていた話題の映画だったので、公開時この作品も観たいと思っていた。

こちらの名作劇場も、座席は一つ置きになってはいても結構観客が入っていた。

製作総指揮はブラッド・ピットだそうでアメリカ映画だけれど、主要な出演俳優は皆韓人で台詞もほとんど韓国語だった。

監督&脚本は『君の名は』のハリウッド実写版を手掛ける予定だった、リー・アイザック・チョン。

主人公は、1980年代アメリカ・アーカンソー州の荒れた土地に引っ越して来た韓国移民家族。

作品冒頭、住まいになるおんぼろトレーラーハウスを見て、ジェイコブの妻モニカ(ハン・イェリ)は唖然とする。

農業でひとやま当てたいジェイコブ(スティーヴン・ユァン)に振り回される一家に、様々な困難が振りかかって来る様子が描かれているけれど、内容は予想していたより暗くはなく、家族の絆を中心に描かれていて静かな余韻の残るいい映画だった。

希望の光が見える終わり方も爽やかで。

 

以前から作品タイトルの「ミナリ」という言葉の意味が気になっていたのだけど、それは韓国語で野菜のセリのことだそうだ。

「セリはたくましく地に根を張り、二度目の旬が最も美味しいことから、子供時代の幸せのために、親の世代が懸命に生きるという意味が込められている。」と映画のチラシに書いてあった。

一家と一緒に暮らし始めた祖母(ユン・ヨジョン)が孫のデビッドと一緒に、川辺へセリを植え付けに行くシーンがあり、それがラストでの感動シーンにも繋がって行く。

このおばあちゃんがとてもいい味を出していて、破天荒で毒舌だけれど茶目っ気たっぷりで、喧嘩が絶えない娘夫婦たちと孫たちとの良いクッション的役割を果たしていた。

さすがアカデミー賞助演女優賞を獲得した女優さん。

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特に孫のデビッドとの絆を深めて行くシーンが良かった。一緒に花札をやったり(笑)。

そのデビッド役の男の子も素朴でとても愛らしかった。

そんな元気で楽しい祖母も病から身体が不自由になり、でも何とか家族の為に少しでも役に立ちたいとの気持ちからの行動が切なかった。

 

この作品を観ていて、古き良きアメリカの開拓時代を描いた昔のアメリカドラマ、『大草原の小さな家』のインガルス一家を思い出したりした。

 

でも、観終わって「とてもいい映画だったな~。」と私が思えた一番の理由は、スクリーンに度々挟み込まれる美しい自然描写の映像と、そこに重なるこれまた心に深く響く美しい旋律の音楽とがマッチしていてそれがとても印象的だったからだと思う。

いつまでもこの美しい映像と音楽に浸っていたいという気分にさせられた。

エンディングロールでの「全てのおばあちゃんに捧ぐ」という言葉にもグッと来た。

 

(とても美しい曲の数々です↓)

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☆ ☆ ☆

 

この日はその映画の前に、いつもドラム練習で利用している近くの音楽スタジオで、2時間ほど個人練習をして来た。

翌、日曜日に即席バンドでビートルズ曲での助っ人を音楽仲間から頼まれていたので。

それは、3バンドでのブッキングライブで、他のバンドは歌謡曲サンタナのバンドだった。

私たちは、赤盤のアルバムの中からの14曲+Don’t Let Me Downという選曲だった。

ビートルズイベントだとマニアックな曲も色々取り入れるけれど、他ジャンルとの対バンなので、皆がよく知っている有名曲からの選曲だった。

初期曲中心の赤盤は、私もこなれた曲が多いので、今まであまりやる機会が少なかったDon’t Let Me Down と Drive My Car を中心に練習して臨んだ。

 

ところで、当日出演バンドの1つ歌謡曲バンドでは、中森明菜渡辺美里竹内まりやなど昭和歌謡が中心で懐かしの曲満載だったけれど、久保田早紀の『異邦人』を歌った後そのヴォーカルの方が、

「実はこの曲の舞台は、シルクロードではなく中央線だった。」と作られたときのエピソードを話していてびっくりだった。

当時、久保田早紀は国立付近に住んでいて、歌の冒頭の「子供たちが空に向かい両手を広げ~」などの歌詞は、中央線で都内の短大に通っていた時に電車の車内から目にした光景だったのだそうだ。

この曲を作った時、主催者側からタイトルとシルクロードの雰囲気の曲に書き換えを求められ、何度もダメ出しをくらって苦痛で仕方なかったとのこと。

まさか中央線の曲だったとは。最初は「白い朝」というタイトルだったそうだ。

インパクトあるイントロといい、如何にも異国情緒たっぷりで私も昔から大好きな曲であり、そのバンドの歌姫さんも情感たっぷりに歌っていてとても素敵だった♪

 

その辺りのエピソードをご本人が冒頭話している、懐かしの『夜のヒットスタジオ』での映像をどうぞ(^^)/

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好きな番組だったから昔この回も観ていたと思うけど、その秘話はすっかり忘れている( ̄▽ ̄;)