つるひめの日記

読書、映画、音楽、所属バンド等について日々の覚え書き。

読書

『タイムマシンに乗れないぼくたち』(寺地はるな・著)

寺地はるなさんの作品は、連作短編集が多いけれど、この作品はそれぞれ独立した7編からなる短編集だった。 作品の多くの主人公たちは、孤独感や生きづらさを抱えている。でも、ふとしたことで心が軽くなるきっかけが訪れる。 中でも私は、『コードネームは保…

『孤独を生きる』(齋藤孝・著)~蓼科「無藝荘」ほか

『孤独を生きる』(齋藤孝・著/PHP新書) 「孤独」のテーマでも多くの書籍を出している齋藤孝さん。 図書館の新着図書にあったので、リクエストして読んでみました。 あとがきに、読者に向けて、本書で得た知識を周囲の悩める方々にシェアして欲しいとあり、…

『犬がいた季節』(伊吹有喜・著)

2021年本屋大賞第3位に選ばれた小説。最近になって読んでみました。 三重県四日市市の進学校を舞台に、学校に紛れ込んだ白い犬「コーシロー」を世話する、高校生たちの青春を描いた連作短編集。 昭和の終わりから平成に渡っての12年間が描かれていて、最終話…

絵本『しましまかしてください』エッセイ『お楽しみはこれからだ part3(映画の名セリフ)』

先週土曜日は図書館での「読み聞かせ」担当日でした。 今回はこちらの絵本、『しましまかしてください』(作・林なつこ)を読みました。 当日は雨模様で、児童室も閑散としていましたが、館内放送や、児童室にいらした親子の方々に直接呼びかけたら、定員6…

紙芝居と、小説『海の見える理髪店』ほか。

先週土曜は、図書館でのいつもの「読み聞かせ」で、今月私は紙芝居の担当でした。 一応、2作品用意していき、今回いつもより年齢が少し上の小1くらいの男の子も多かったので、『なんにもせんにん』(原作・巌谷小波/脚本・川崎大治/画・佐藤わき子/童心社)…

「天才IT大臣オードリー・タンが初めて明かす 問題解決の4ステップと15キーワード」

「あらゆる問題解決をしてきた、台湾IT担当大臣オードリー・タンの思考法を大公開。」という内容の、普段あまり手に取らない本を読んでみました。 その名やお顔はコロナ禍から色々なメディアで見かけるようになり、どんな考えを持った人なのか興味があったの…

読書感想『ガラスの海を渡る舟』『その日まで』

『ガラスの海を渡る舟』(寺地はるな・著) 主人公は、祖父のガラス工房を引き継いだ道と羽衣子の兄妹二人。 その10年間を、それぞれの視点で描かれた連作短編集。 両親は2人が子供の頃に別れていて、兄の道は人とのコミュニケーションが苦手だ。 道の普通の…

『新しい星』『黄色いマンション 黒い猫』~最近心に残った本

『新しい星』(綾瀬まる・著) 大学時代、合気道サークルの友人同士だった男女4人の連作短編集。 青子、茅乃、卓馬、弦也、皆それぞれ困難な事情を抱えている。 女性同士の青子と茅乃の友情を軸に、30代から40代にかけてそれぞれの喪失や再生などが描かれて…

最近読んだ『月夜の森の梟』『明日へつながる5つの物語』と、橋の上からの写真。

『月夜の森の梟』(小池真理子・著) 朝日新聞で毎週連載されていたエッセイ。先月書籍となり発売されたので、早速図書館でリクエストをして読んでみた。 うちは朝日と他紙の新聞を交互にとっているため、未読の回もあり、是非全文通して読んでみたいと思っ…

『平場の月』(朝倉かすみ・著)

以前話題になっていて気になっていた本『平場の月』(朝倉かすみ・著)を、友人が貸してくれたので読んでみた。 「平場」とは、一般的な場所のことだそうだ。 あらすじ 主人公は50歳の青砥健将と須藤葉子。 作品舞台は埼玉県西部の朝霞で、二人は中学時代3年…

『366日絵のなかの部屋をめぐる旅』海野弘(解説・監修)

今週のお題「読書の秋」 「芸術の秋」でもありますね! 元々部屋やインテリアに興味があったので、図書館の新着図書にあったこちらの本を予約して読んでみました。 『366日絵のなかの部屋をめぐる旅』海野弘(解説・監修 ) 出版社・パイインターナショナル…

きみの町に星をみているねこはいないかい?

先週土曜は、3か月ぶりに再開した図書館での読み聞かせ担当日でした。 今回読んだ絵本は、 えびなみつる作『きみの町に星をみているねこはいないかい?』(架空社) ページをめくる度にクスクス笑えるウイットに富んだ絵本です。 天文台に勤務している博士と…

『法華経:誰でもブッダになれる』(植木雅俊・著)

普段、お墓参りや葬儀・法事などでお寺に出向いたり、仏像を見るのは好きでも、仏教そのものについては詳しくない私。 図書館の新刊で、『般若心経』と並んで日本人に馴染みのある経典『法華経』についての本があったのでリクエストして読んでみました。 『…

最近読んでみた心が軽くなる本~『しない。』『相談の森』

例年と違って9月に入ったとたん涼しいというか肌寒いくらいの陽気が続いている。 拍子抜けしたように一気に気温が下がり体は楽だけれど、急にパタッと夏が終わったようで寂しい気持ちにかられた。来週はまた暑さが戻るらしいけれど。 子供の頃は夏休みが終わ…

じっと手を見る。

『じっと手を見る』(窪美澄・著)を読んでみた。 物語は、山梨県の富士山を望む町で暮らす介護士の日奈を中心に描かれている。 同じく介護士で日奈の元彼氏でもある海斗、その町に介護福祉学校のパンフレットを制作するために取材でやって来た、東京のデザ…

『雨降る森の犬』(馳星周・著)を読んでみました。

主人公は、父親を病で亡くし、母親との確執を抱えた中学生の広末雨音。 不登校になった雨音は、長野の立科町に住む山岳写真家の叔父、道夫と一緒にその山荘で一緒に暮らすことになる。 道夫は愛犬のワルテルを飼っている。(表紙のようなバーニーズ・マウン…

いつもの月曜日のこと~哲学と瞑想と犬の話

いつもの月曜日、午前中は日本語教室のボランティアで、午後からはその近くで数時間バイトのシフトが入っています。 日本語教室では、アメリカ人のミンディさんという方を担当しています。 このところずっと、昨年頂いたミンディさんが出版されたプラトン哲…

『お探し物は図書室まで』(青山美智子・著)を読んでみました。

図書館などで借りた本ならば返す期限があるので、読み進めるのにエンジンがかかるのだけど、購入した本は、他の用事にかまけて読むのがつい後回しになってしまう。 テレビで録画した映画などもそうだ。 いつでも観られると思うと、なかなか観ずに録画したま…

『羊は安らかに草を食み』(宇佐美まこと・著)

今年1月に刊行された小説。図書館でリクエスト予約して読んでみた。 俳句教室で知り合った86歳の益恵、80歳のアイ、77歳の富士子は、20年来の仲良し三人組だ。 益恵は認知症が進んでしまい、益恵の夫・三千男は妻を施設に入れることを決意する。その前に、益…

『森へ行きましょう』(川上弘美・著)

タイトルに惹かれ図書館で借りた、昨年12月に刊行された文庫本。 このタイトルは、著者の川上さんと以前から知り合いだった、歌手・浜田真理子さんの曲のタイトルから付けたのだそう。後書きはその浜田真理子さん。 「森へ行きましょう~娘さん、アハハ…」と…

『人生のレシピ―哲学の扉の向こう』(神崎繁・著)

「太った豚よりも、痩せたソクラテスであれ、というけれど……、あれ、ソクラテスって太ってなかったっけ?」 哲学者・神崎繁が残した知的ユーモアあふれるエッセイ集。 (神崎繁さんは2016年に63歳で病死されたそうです。) 目次は、「人生のレシピ」「古代を…

『村上T (僕の愛したTシャツたち)』『一人称単数』(村上春樹・著)& Gorillaz

『ポパイ』に2018年8月号~2020年1月号まで連載されたエッセイをまとめ、昨年6月に刊行された作品。 ロックT /レコード系/マラソン完走Tシャツ/企業もの/ビール関係/ノヴェルティ……。村上春樹の段ボールで積みあがった膨大なTシャツコレクションをもとに、Tシ…

「柔軟さの獲得が、大人になるということ。」

昔私は、一人で映画館で映画を観ることはほとんどなかった。 一人で観に行くのは寂しかったし、誰かと一緒だと観た後作品の感想を色々語り合えるのが楽しかったのもあり。 感想を語り合えて楽しいのは今も同じだけれど、昔と違い、今は一人で観る時の方がず…

『さざなみのよる』(木皿泉・著)~ドラマ『富士ファミリー』の前日譚

今週のお題「もう一度見たいドラマ」 帯に「書店員が選ぶ泣ける小説第一位!」とあった、木皿泉・著『さざなみのよる』を読んでみた。 確かに、物語ラストに近づくにつれて涙腺が緩みっぱなしで、その辺りを通院している歯医者の待合室で読んだので、その後…

『希林のコトダマ』(椎根和・著)他を読んでみました。

先週末、「ブログを開設してから2年が経ちました。」とはてなブログから連絡が来ていました。 2年前に開設してからほぼ週1ペースの更新ですが、訪れて下さる皆さん、いつもありがとうございます! これからも、マイペースで続けていけたらと思っています。…

『水を縫う』(寺地はるな・著)

ブログには書かなかったけど、今年初めに読んだ『ビオレタ』以来久しぶりに読んでみた寺地はるなの作品は、今年5月に刊行された『水を縫う』。 図書館にリクエストしてから約3か月程待ちやっと順番が回って来た。 今回も著者の多くの作品と同じく、家族物で…

短編ベストコレクション・現代の小説2020(徳間文庫)

2019年に、小説や出版社のPR誌、Webサイト等に発表された数多くの短編小説から 選び抜かれた年間最優秀作のアンソロジー作品。 先月、図書館で借りた本。小説はつい好みの作家を選んでしまいがちだけれど、普段読んだことのない様々な作家の名も並んでいた…

ミンディさんとデーケンさんと哲学の話。

ミンディさんとは、所属している外国人に日本語を教えるボランティアで、昨年初め頃から私が担当しているアメリカ人女性です。 ミシガン州出身で、20年以上前にイングリッシュ・スクールの教師として来日し、そこで知り合った日本人男性と結婚して、現在小学…

『こんぱるいろ、彼方』椰月美智子・著

主人公はスーパーで総菜を作るパートをしている主婦の真衣子。 会社員の夫と正義感強くはっきりものを言う大学生の娘、反抗期真っ只中の中学3年の息子との4人暮らしだ。 ある日、娘の奈月が大学の友人と3人で初めての海外旅行の計画を立て、その行先がベト…

絲山秋子・著『御社のチャラ男』

1月末頃図書館にリクエストした新刊小説だけど、図書館がずっと休みだったので 先月末に用意出来たと連絡が来た時は、何をリクエストしたのかすっかり忘れていた。 つべこべ言うなら自分で購入したまえ。 はい、すみません。 (本文内容に触れているので、読…