韓国でベストセラーになった、『私は私のままで生きることにした』
(キムスヒョン・著 吉川南・訳)を読んでみました。
書店でたくさん平積みされていたのを見て、その力強いタイトルに惹かれ2か月ほど前に購入して直ぐに読んだのですが、感想記事を書こうと思いつつそのままになってしまい今回書く前にざっと読み返してみました。
「ごく普通の私達が、何が正解なのか分からない世の中で、誰の物まねもせず誰も羨まず、自分を認めて愛する方法を伝えたい」
との著者の思いが込められた自己啓発本で、
世界にたった一人しかいない「自分」を大切にして生きていくために、
忘れないでほしい70のことが書かれています。
✓自分からみじめになってはいけない
✓誰かの期待に応えようとしてはいけない
✓自分以外の何者かになろうとしない
✓自分が輝ける場所で生きていく
✓通りすがりの人に傷つけられてはいけない
✓すべての人に理解されようとしなくていい etc.
読んだ後、人と比べることなくありのままの自分で生きて行こうという勇気が湧いて、
爽快な気持ちになれる本でした。
帯にあるように、購入した時点で日本でも18万部とかなり売れているようですね。
分厚い本ですが、イラストレーターでもある著者のイラストが随所に挟み込まれていて、1頁毎の字数も少なくサクサク読めてしまいます。
ほのぼのとしたその可愛いイラストにも癒され、数々の心に刺さる名言にもその都度はっとさせられました。
感銘を受けたそれらの言葉を少し紹介すると。
「自分から惨めになってはいけない」という章では、昨今のSNS流行りに触れ、
『自分を惨めにする方法』という本に寄れば、他人の生活を覗き見て自分の生活と比べることが、自分を惨めにする一番簡単な方法だという。
そのような好奇心からは何も得られないので、あなたの好奇心やエネルギーは、あなた自身の人生をよくするために使った方がよい。
そして、「実は、誰の人生もそれほど完璧ではないということ。」と説かれています。
隣の芝生はつい青く見えてしまいますよね。
また、「幸せは人生の目的じゃない」という章では、
「人生の目的が幸福にあるという考え自体が大きな錯覚」
だとして、「憂鬱や悲しみなどの辛い時間がなければ、幸福が何なのかを知ることが出来ない。」
「人生の目的はいつも、人生それ自体にある」
という文にもとても共感出来ました。
そして、「幸せになりたいのなら、あなたの幸福に関心を持つことが必要。」
と説いています。
「過ぎ去った過去と決別する」という章では、
「私の親は、親になるために生まれて来たわけではなく、不器用な大人に過ぎなかったこと」
という文にも私自身子供の立場でも親の立場でもなるほどと思える言葉でした。
日本でも共通点が多いですが、それ以上に韓国社会での生きにくさも本書で知り驚きました。韓国は、達成不可能な目標を要求する国と表現している他、
「ときには寄り道をしてみよう」との章で、
ハンガリー、日本、韓国の共通点として「寄り道が許されない社会」であり、そして自殺率が高いこと。
韓国では、寄り道は人生を台無しにすると考えられていてタブーに近い。
就職、結婚等も「適齢期」に合わせて実行しないと人生失格のレッテルを貼られ、その結果、韓国は最高の自殺率と最低の出生率になった。他、「人間関係は競争」という教えのもと、月給や資産額など韓国では数字が全てで、常に比較され順位を付けられる人生。
また、『嫌われる勇気』が何故、日韓両国でベストセラーになったのかについては、
両国とも、経済水準は高いのに、幸福度が目に見えて低いから。
個人主義が強い社会では、収入とは関係なく幸福度が高くなるそうだ。
両国とも超集団主義のため他人の目を恐れている。「必要以上に人目を気にするのは、心に監視カメラを設置するようなもの」
というのも名言だなぁと共感しました。
心に監視カメラを設置して、自分で自分をがんじがらめにしてしまっている
状態の人が多いってことですよね。
私自身も、アドラーの『嫌われる勇気』は話題になっていた何年か前に読みました。
心の監視カメラを手放します^^;
「どう生きるかを問う」の章での最後の言葉にも心に響きました。
「人生が終わる瞬間まで共にいてくれる存在、今日こそは是非こう言おう。私がどう生きようが、私自身が応援する」
そうですよね、生まれてから今日までの自分を一番よく知っている存在は、
他ならぬ自分自身なんだから、自分が一番の応援団長にならなきゃね。
どう生きても、全て自分で責任を負うってことも含めてでしょうけど。
他にも名言が満載で、どこからでも気軽に読めて、どのような世代の人にも共感出来る内容でした。特にこれから社会に出る若い方々にもオススメです。
また折に触れて読み返してみたいと思います。
「世の中が決めた正解に屈してはいけない」という章では、ビートルズをモデルにこんなイラストもありました♪