つるひめの日記

読書、映画、音楽、所属バンド等について日々の覚え書き。

映画『哀れなるものたち』『かがみの孤城』劇団四季『アナ雪』など

映画『哀れなるものたち』

夜明けのすべて』より、こちらの作品を先に先月観に行き、下書きに感想をざっと書き留めておきました。

www.searchlightpictures.jp

(作品詳細は、こちらのサイトからどうぞ。)

自殺を図り、赤ん坊の脳を移植されて生まれ変わったベラ。

精神も知能も赤ん坊だったベラが、野生児のような勢いで色々吸収し、成長していくその姿をエマ・ストーンがもの凄いパワーで演じていました。

以前観たラ・ラ・ランドと、同じエマ・ストーンとは思えなかったな。(^▽^;)

昨日発表された第96回アカデミー賞では、見事主演女優賞を獲得していましたね。

性的なことを含め、自分の気持ちの赴くままに行動していくベラ。

世界を自分の目で見たいため、プレイボーイの弁護士と共に冒険の旅に出て、本を読むようになるなど、何にも忖度されない自身の考えがしっかり根付いていく。

ご覧になった皆さんも書かれていたように、映像の圧倒的な美しさ、摩訶不思議さ。それはまるで、美術館に放り込まれたようなシュールな世界観いっぱいで、その映像美にも引き込まれました。

こういった映像&シュールな作品で思い出すのは、以前観たグランド・ブダペスト・ホテル』や、Dr.パルナサスの鏡など、その世界観にも通じているように感じて…

特に、旅の途中、豪華客船での場面。そこでの夢の中のような不思議な空の色など、見入ってしまいました。

ベラがその船上で出会う、上品な高齢女性。大らかでベラの困った質問にもユーモアで返していて、こういう人が本当に賢い人なのだと感じたし、その夫人と共にいた黒人男性からも、同じような気品が感じられました。

途中寄港した地で、貧困に苦しむ住人たちを見て、世の中の現実を知り、嘆き悲しむベラの純粋さ。また男性優位社会を皮肉った、ベラの台詞などからは、痛快な気分になりました。

エマ・ストーンが演じているせいか、エロティックな場面もさほどいやらしさを感じなかったし、放蕩な弁護士がベラと立場が逆転していくのも面白くて。

どうなってしまうのだろうとドキドキしたクライマックス。でも、ラストは納得のいく終わり方でした。

解剖シーンなどグロテスクな場面は、私は目を瞑っていたので問題なし。

好みは分かれると思うけど、私は見て良かったと思える作品でした。

 

劇団四季ミュージカル『アナと雪の女王

先週、姉に誘われて、久しぶりに劇団四季のミュージカルを観に行ってきました。

劇団四季は、8年前に『アラジン』を観に行って以来でしたが、それ以前も、仕事先の互助会から割引で観られたのもあり、何度か観に行きました。

『アラジン』は、『アラジンと魔法のランプ』の話が子供の頃から大好きだったので、その世界観を十分堪能出来て、とても素晴らしく楽しかったのを覚えています。

www.shiki.jp

今回も、さすが劇団四季。舞台美術もゴージャスでさらに進化していました。

プロジェクションマッピングと、照明との相互効果も素晴らしく、途中「わー!」っと、感嘆を上げるような場面も何度かあり、特に第1幕目最後の、あのヒットした「Let It Go~ありのままで」を歌う場面は圧巻でした。

これはどういうカラクリになっているのだろう?と驚いた場面も何度かあって。

アナと雪の女王』は、以前テレビでやったとき一度観ただけですが、映画には無かったシーンや歌などもありました。

音楽も生オーケストラを入れている作品なので、迫力もいっぱいで。

この作品はロングラン公演中だそうですが、来年からの新作『バック・トゥ・ザ・フューチャーも面白そうです。

この日も満席のようでしたが、観客は若い女性が多いだろうと思ってたけど、そうでもなく、男性も多く、あらゆる世代の方が観に来ていました。高校生の1クラスほどが先生の引率で来ていたり。

多感な時期に舞台の感動経験が出来るのは、人生の財産になりますよね♪

(場所は、浜松町「ウォーターズ竹芝」内にある、四季劇場「春」。

(開演前のみ写真撮影OKでした。2階席でも、ステージ床に映る映像がよく見え、綺麗なようです。)

 

と、ここまで1500字程度なので、先月テレビで観たこちらの感想も…

 映画『かがみの孤城

数年前、本屋大賞に輝いた辻村深月の原作の方は、気になっていたものの未読です。

登校拒否気味の中学生の主人公こころが、ある日、部屋の鏡から不思議な光が出ているのに気づき、その中に入っていくと、そこは迷宮の城の中で、同じような境遇の若者たち6人と出会う。

そこに、おおかみの仮面をかぶった少女が現れ、皆で協力して城の中にあるカギを見つければ、願いが叶うと言われる。でも、夕方5時までに自分たちの世界に戻らなければ、連帯責任で、みんな城の巨大なおおかみに喰われてしまうと告げられる。

その日から、この城はサロンのような癒しの場になっていき、連帯感や友情も生まれて…というストーリー展開。

 

鏡の中を抜けて異世界へ入っていくという部分、昔観た『鏡の国のアリス』や、梨木香歩の小説『裏庭』を思い出しました。

『裏庭』は、やはり孤独を抱えていた少女・照美が、荒れ果てた洋館の裏庭で冒険を繰り広げる話。現実では「照美」、鏡の向こうの世界では「テルミー」という名で、「tell me」との意味にかけていた点も印象的だった物語。

自分の中の傷と対峙していくようになる点も、この作品に似ていました。

かがみの孤城』では、終盤、城に住むおおかみの仮面をかぶった少女の正体や、その城の意味、集められた7人の子ども達の関係性などの謎が解明されていく過程が心にジーンときました。

辛い経験をした子(人)は、その分人に優しくなれる。いじめなどで傷ついた子供たちに、このお城のような、素敵な癒しの場が実際あればいいなと感じました。

 

【おまけ】

お城というと、先月、南房総へ旅行したとき、帰りに「DIC川村記念美術館にも寄りました。十数年前にも行ったことがありましたが、外観はまさにお城のような素敵な建物で、池には二羽の白鳥が泳いでいました。

書き出すと、つい盛りだくさんになってしまう私の記事。

最後までお読み頂きありがとうございましたm(__)m