つるひめの日記

読書、映画、音楽、所属バンド等について日々の覚え書き。

新年に観た映画『ゴジラ-1.0』ほか昨年に観た『生きる』など

ゴジラ-1.0』

観に行ったのが、三連休中だったせいか、公開2か月以上経っていても混んでいた。

先月『翔んで埼玉』の続編を観たときも、ゴジラにしようか迷ったのだけれど、予告編がとても怖そうだったので躊躇していた。現実で益々悲惨なニュースが多い昨今、ドキドキする作品は、昔ほど好まなくなってきたのもあり。

 

作品舞台は、戦後間もない日本。太平洋戦争末期、特攻隊員・敷島(神木隆之介が、航空整備士のいる島に不時着する場面から始まる。

その島を突如ゴジラが襲う。「出た!」と、いきなりドキッとする。

その時はまだゴジラ本来の大きさではなく、『ジェラシック・パーク』で人間を襲う恐竜場面に似ているなと思った。

終戦を迎え、敷島は日本に帰還するも、空襲で既に両親は亡くなっていて、そんな時に大石典子(波辺美波)と出会う…

 

今回の作品は、ゴジラ70周年記念作品だそう。

見終わって、やはり観て良かったと思った。映像的にもとても良く出来ていて、迫力いっぱいで。

人間ドラマが描かれている点でも楽しめた。終盤胸に迫る場面も多く、何度か涙が。

そういえば、観ている途中、子供の小さな泣き声が聞こえてきた。

やはり今回のゴジラは怖すぎるせいか⁈( ゚Д゚)

以前予告でも観たけど、ゴジラが海面から顔を半分出して追って来る顔が、特に恐ろしかった。

海面から迫って来るといえば、昔観た、ジョーズが追って来る怖さとも比べ物にならないような。ジョーズが現れる時は、あのお馴染みの音楽によって恐怖心が増したっけ。

 

ゴジラが上陸し、銀座を破壊する場面での、昔の銀座の様子もとてもよく描かれていた。さすがALWAYS 三丁目の夕日シリーズを手掛けた山崎貴監督

ALWAYS 三丁目の夕日』もとてもいい映画だったなー。昭和の街並みのセットが素晴らしかったのが一番記憶に残っている。

 

戦後、焦土と化し「無」になった日本に追い打ちをかけるようにゴジラが襲い、日本をマイナスへと叩き落としたから、「-1.0 」というタイトルなのだそう。

前回のシン・ゴジラも面白かったけど、途中からゴジラ動かなくなってしまったのが物足りなかった。

今回は最初からずっと手に汗握る展開で、ドキドキしっぱなしだった。

久しぶりに聞いた、ゴジラ懐かしのテーマソングにも胸ときめいた。

 

ゴジラが日本を破壊しているのに、ソ連との関係がなんちゃらこんちゃらで、アメリカのGHQも日本政府も、ゴジラ撃退に全く関与しないってのは、とても不自然に感じたけれど、戦時中、特攻隊含め国民の命を軽視し、それに対して責任をとらなかったという、国の体質を非難する、登場人物たちの台詞も良かったな。「この国は、あまりにも命を守ることを粗末にしすぎた。」など。

作品を通して、命の重さ尊さ、そして反戦の願いも込められていたと思う。

序盤で、特攻を逃れて島に不時着した敷島に対し、「君みたいなのがいてもいいんじゃないかな。」という、若い整備士の台詞も心に残った。

安藤サクラ青木崇、また、敷島とゴジラとの戦いを共にする、吉岡秀隆佐々木蔵之介山田裕貴など、脇を固める俳優さんたちの演技も光っていて、それぞれ好感持てた。

ラストは、続編がまたありそうな、意味深な終わり方だった。

 

昨年観に行った映画の中で、ブログに書き損なっていた三作品についても、簡単に書いておきます。昨年まとめて途中まで書き、そのままになっていたので。

『生きる』

黒澤明監督の名作『生きる』を、ノーベル賞作家カズオ・イシグロの脚本で、イギリスでリメイクした作品。

作品舞台は、第二次世界大戦後のロンドン。仕事一筋で実直に生きてきたウィリアムズ(ビル・ナイ)。仕事でも、息子一家と同居の家でも、空虚感を抱えながら生きてきた。ある日医者から余命を宣告され、それがきっかけで改めて自らの人生を見つめ直す。というストーリー。

静かで、上質な時が流れている時間を過ごしたような気分になれた映画だった。

スクリーンに映る風景などが、1953年当時らしい抑えた色調だったのも印象的だった。

病気の話をなかなか息子に切り出せないウィリアムズの姿や、その息子の態度に歯がゆさを感じたけれど、ウィリアムズの葬儀で、父が自分に病気を打ち明けてくれなかったことにショックを受けている、息子が可哀そうでもあった。

終盤、ウイリアムズが亡くなった公園のブランコでの場面。

歌を口ずさみながらブランコに乗っているウィリアムズを見かけたのに、あまりに楽しそうだったので声をかけなかったことを後悔していた警察官に対し、ウィリアムズを慕っていた部下が、亡くなる瞬間までウィリアムズは幸せだったのだと話し、若い警官の心が救われて良かったと思った。

元部下である、活発なマーガレットとのささやかな交流場面で、楽しそうなウィリアムズの表情も良かった。

 

ウィリアムズを演じた俳優ビル・ナイは、過去観た大好きな映画『アバウト・タイム』や『ラブ・アクチュアリー』にも出演していた好きな俳優。

特に『アバウト・タイム』で好演していた父親役が忘れられない。終盤での息子との海辺のシーンなど。この作品は、使われた音楽も素敵な曲ばかりだった。

 

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

主人公エヴリン(ミシェル・ヨーは、破産寸前のコインランドリーを経営しながら、夫と反抗期の娘、頑固な父親と暮らしている。ある日、税金申告に行った税務署で、いきなり並行世界に連れて行かれる。エヴリンはカンフーの能力に目覚め、巨大な悪と戦うことになる。というストーリー展開。

アカデミー賞作品賞ほか7冠受賞が話題になったのもあり、『生きる』と同じく昨年春に観賞。

予告編を観たときは面白そうと興味津々だったのだけど、マルチバースの世界など、映像やストーリーが目まぐるしくて、一回観ただけでは話がよく理解出来なかった。

アクションコメディだけど、コメディ場面もお下品な下ネタが多く、あまり笑えず。

でもマルチバースの世界など、視覚的には楽しめたと思う。

後半、石ころ二つが会話を交わす(エヴリンと娘だったかな?)場面で、詩的で哲学的な台詞が心に残った。

主人公エヴリンのカンフー場面などは、迫力あって目を見張るものがあった。

エヴリンは余貴美子さんに、その娘役は、渡辺直美さんに似ていると思いながら観ていた。最初は冴えなかったエヴリンの夫役は、途中からかっこよく見えてきた。

 

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』

ハリソン・フォード演じる考古学者インディ・ジョーンズの冒険を描くアドベンチャー映画。シリーズ第5作目で、前作から15年ぶりの新作。

人類の歴史を変える力を持つとされる究極の秘宝「運命のダイヤル」を巡って、因縁の宿敵である元ナチスの科学者を相手に、全世界を股にかけた争奪戦を繰り広げる。

 

懐かしのテーマ曲とともに、インディ・ジョーンズの活躍を十分楽しめた。

冒頭での過去の場面。走る列車上での悪役とのバトルシーンは、過去作にもあったけど、この場面でのハリソン・フォードが、昔と変わらず若々しかったのにびっくりだった。もう80歳なのに、昔と全然変わってないじゃん、と。

その後、場面は現代に変わり、一人アパートに暮らす年老いたインディが登場したけれど。後で解説読んだら、列車の場面は、AIの最新技術により、若き日の顔を再現出来たのだそう。

過去作と似ている場面というと、虫の大群が出て来たのもそうだった。^^;

後半は、手に汗握るような派手なアクションシーンの連続で、人間がそんなことまで出来ちゃうの~⁈というような展開。80歳のハリソン・フォードも頑張っていた。

時空を超えるラストの方で、古代ギリシャ場面での壮大な景観にも圧倒され、そのシーンが特に心に残った。

 

ディズニーシーで、初めて「インディ・ジョーンズ」のアトラクションに乗った時は、トロッコに乗りながら、インディ気分でワクワクしたっけ♪