もうすぐ節分ですね。
今月の図書館「読み聞かせ」では、こちらの絵本を読みました。
【あらすじ】
女の子とお父さんが豆まきをしていると、いつの間にか部屋の中に一人のおばさんがにこにこ座っています。「福はうち!」という掛け声に呼ばれたから来たというそのおばさんは、「ふく」という名前。
すると、「ごめんくださいまし」の声とともに、おばさんがまた一人現れて。
「わたしといると笑いの絶えない家になりますよ。笑いが世の中で一番大切なのです。」と、「ふくわら いい」さん。
お次は、「だいふくちょうだい!」っていうと、部屋中だいふくでいっぱいになる、「だいふく」さん。
最後は、洋服を次々出してくれる「ようふく」さん。「人間あったかくしていないとろくなこと考えません。」という、ようふくさんの台詞も最もだと思います。
「私達と暮らすと、幸せになりまっせ。」と最初のふくさん。
でも今のままが幸せと、おとうちゃんと二人で普通に暮らしたいという娘。
父がそれを4人に告げる前に、4人は消えていました。
背表紙には、家の窓からにこにこ覗く4人が。
きっと、この父娘は、自分たち福の神がいなくても大丈夫だと安心しているかのようです。
4人の中で、私は「福笑い」の「ふくわら いい」さんが一番好きです。顔を見ているだけで面白くて。女の子が、ふくわらいの顔のパーツを動かている絵も笑えます。
この4人のふくさん達の福が、寒空の中、今困窮している人々の元にも、どうか届きますように…
口の周囲が髭で、頬にホクロがある、愛嬌のあるおとうちゃんの顔が、昔の大阪の喜劇役者・藤山寛美に似ているなと思いました。
作者の長谷川義史さんも大阪人。読み聞かせ仲間から、長谷川さんの地元大阪の書店では、「長谷川義史コーナー」が設けてあると聞きました。
巻末に、旧暦の呼び名、誕生花、2月の星座、旬な食べ物について、2月についての説明も載っていて、2月生まれのプレゼントとしてもぴったりです。
この日は冷たい雨模様で、誰も聞きに来てくれないかもねって仲間と話してましたが、始まると徐々に増えて、定員いっぱいになりありがたかったでした。
中には祖父母、お母さん、お子さんの4人で来て下さったご家族もいました。
『ちょっとだけのんびりするひ』(ウェンディメドゥール・文/ダニエルイグヌス・絵)
図書館で絵本を探していたら、美しい色彩の絵本が目に飛び込み、内容と共に直ぐに気に入りました。絵も大きくはっきりしているので、読み聞かせにも相応しいと思い、今月1年生の教室で読みました。
【あらすじ】
ティシャは、家の裏庭で、お花を追いかけるのに夢中です。
そこに「いそいで!学校にちこくしちゃう」とママ。外では、バスの運転手さんが「いそいで!」学校でも、先生や友達から急がされ、帰りはまたまたママから「いそいで!バスに乗り遅れちゃう」と。
とうとうティシャは、「いそいでばかりでやだ。」と座り込んでしまいます。そして、たまにはママと歩いて帰ることに。
ママが子供の頃にやった、鳥や車の数などを当てる「いくつかな遊び」をやったり、公園でベンチに座ってのんびりしたり。
家に帰ると、「急いで料理を作るよ!」というパパに、ママが「たまにはピクニックをしましょう」と提案。
その公園で「ちょっとだけのんびりできる、こういう日って大好き。」と、ティシャもとても嬉しそうです。
「皆さんも、学校ではお勉強を頑張って、家に帰ったら、ちょっとだけでものんびりしてくださいね。」と話の最後に付け足したら、男の子が「のんびりできなーい!」と言ってました。^^;
今の子どもたちはホント忙しいですよね。ゲームでも忙しいのかも知れませんが。
(皆で、花びらをつかまえよう)
(見返しの部分にまで、美しい絵が)
作品全体の中で、特に紫色に惹かれました。歴史ある建物も薄紫だったり。
画家のダニエル・イグヌスさんの絵本は、昨年8月にブログにでも紹介した『おっこちてきた』で好きになり、この『ちょっとだけのんびりするひ』で、より好きになりました。
益々忙しいこの世の中、皆さんも深呼吸したり、毎日ちょっとだけでものんびりして下さいね。
それから先日のライブで、「つるかめ」という対バンさんの名から、以前紹介した、『つるかめ つるかめ』(中脇初枝・文/あずみ虫・絵)という絵本を思い出しました。
コロナ禍が始まったその年の暮れに、図書館の「読み聞かせ」で、仲間が読んだ絵本です。
この記事に書いたように、不安なときや怖いときに、昔から人々が唱えてきた、6つのおまじないを紹介している絵本。
作者は、コロナ禍で社会に不安が広がる中、おまじないを紹介する絵本を思い立ったんだそうです。
地震を鎮めるおまじないは、「まじゃらく まじゃらく」。
嫌なことがあったら、「つるかめ つるかめ」。
「だいじょうぶ」という言葉は、大人でも子供でも一番心が落ち着きそうです。
「不安を抱えている子供や大人、無理をして頑張り過ぎている人に届けたい」との作者の気持ちが込められています。