つるひめの日記

読書、映画、音楽、所属バンド等について日々の覚え書き。

映画『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』『キリエのうた』感想

 

映画『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』

東京都民から迫害を受けていた埼玉県人は、麻実麗(GACKT率いる埼玉解放戦線の活躍によって自由と平和を手に入れた。麗は「日本埼玉化計画」を推し進め、埼玉県人の心をひとつにするため、越谷に海を作ることを計画。そのために必要な白浜の美しい砂を求めて和歌山へと向かう。そこで麗は、関西にもひどい地域格差や通行手形制度が存在しているのを目の当たりにする。そして大阪のめぐらせた陰謀が、やがて日本全土を巻き込む東西対決へと発展していく。(映画comより抜粋)

4年ぶりの続編。今回もたくさん笑えるかなと期待して観に行ってきた。

でもブロ友さんが書いていたように、1作目の方が面白かった。

埼玉というより、今回の舞台は関西で滋賀県が中心。

最初こそ、暑さで全国的にも有名な熊谷を、いかに暑いかディスってはいたけれど。

越谷に海を作ろうという壮大な計画。それは、越谷市にあるしらこばと水上公園にある波のプールのことだった。なーんだ^^;(その「しらこばと」のポーズは今作でも健在で、観ながら私もやってみたくなる。)

夏は神奈川より2度、東京より1度は暑い埼玉に海があれば…と私も思ったりもするけれど、震災後、宮城から引っ越されてきた方は、埼玉は災害が少ないのもあって越してきたと言われていたし、海が無いからと言って贅沢を言ってはいけない

作品冒頭での家族3人(今回は和久井映見たち)が、車中で埼玉のラジオ局NACK5から流れる、この「都市伝説」を聴いているシチュエーションは前作と同じ。

麻実麗率いる一行が船から上陸した関西では、大阪府知事片岡愛之助)による、日本植民地計画が進められていてた。

大阪府知事役の片岡愛之助は見た目からして、その毒々しさがいかにもはまり役で、インパクト有り過ぎだった。その大阪が悪者扱いで、大阪の方はあまり気分が良くないのでは…と心配になって来る。ラストでそれまでの展開を挽回すべく、大阪人を盛り上げていたけれど。

話の中心となった滋賀県では、滋賀のナンバープレートがゲジゲジのようだと揶揄されていたり、また、滋賀県が生み出した飛び出し坊やの「とび太くん」も知らなかった。見たことはあるような気がしたけど。

その「とび太くん」を、映画の中で多様していたのが面白かった。

滋賀県のサイトから)

以前、滋賀県の琵琶湖に行ったとき、「とび太くん」見かけたかなぁ。

映像的に私が一番面白く感じたのは、ゆりやんレトリィバァがコミカルに歌って踊る、タコランドのシーン。

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既視感があるなと思ったら、ジョニー・デップ主演の『チャーリーとチョコレート工場』での、ウンパ・ルンパ登場シーンだった。このシーンをパロっていたのですね。

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話の終盤、「埼玉にもアレがあったのか!しかもそういう目的でつくられたって?まさか~!」と思った、クライマックスシーンも面白かった。

あ、ここまで書いてきて、結構面白い場面あったなー。

1作目では特に、加藤諒の登場シーンで私は大いに笑えたので、だから今回も加藤諒君の演技を期待してしまったので、笑いの点でイマイチと感じたのだった。

「滋賀のオスカル」こと桔梗魁を演じた、の男役がかっこよかった。

見終わって、無性にたこ焼きが食べたくなった。

「知らんけどっ!」笑

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チャーリーとチョコレート工場』といえば、その前日譚である、ティモシー・シャラメ主演の『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』も公開され、こちらも面白そうですね。

 

映画『キリエのうた』

石巻、大阪、帯広、東京を舞台に、歌うことでしか“声”を出せない住所不定路上ミュージシャン・キリエ、行方のわからなくなった婚約者を捜す青年・夏彦、傷ついた人々に寄り添う小学校教師・フミ、過去と名前を捨ててキリエのマネージャーとなる謎めいた女性・イッコら、降りかかる苦難に翻弄されながら出逢いと別れを繰り返す男女4人の13年間にわたる愛の物語を、切なくもドラマティックに描き出す。

(映画・comより抜粋)


監督・岩井俊二&音楽・小林武史による音楽映画。ということで気になり、先月初旬に観に行ってきた作品。

いい映画だったなと思ったにも関わらず、ブログに書きそびれ遅くなってしまった。(他にも面白かった「インディ・ジョーンズ」最新作など、今年ブログに書きそびれていた作品が数作あった。途中までは書いたんだけどなー。)


主人公のキリエとその姉の二役を演じたアイナ・ジ・エンドは、私は知らないミュージシャンだったけれど、ダンサーでもあるそうだ。

今回映画初主演だそうで、それ故か初々しく自然な演技で、ナイーブな感じがよく伝わってきた。

震災を絡めたストーリーであり、キリエは震災で心に深い傷を負っていたのが次第に分かってくる。それ故に、心からの叫びのような、聴く人の魂に訴えかけてくるような歌声なのだろうと思った。

キリエは震災の時のショックから、歌う時以外は声が出なくなってしまったのだった。

その震災での緊迫した場面は、観ていて辛いものがあった。

このアイナ・ジ・エンドさんの歌声、私は特に好みってわけではなかったけれど、わりと好きなミュージシャンである、COCCO(コッコ)や、UA(ウーア)の歌声に似ているなと感じた。

そういえばUAの長男は、この作品にも出演していた村上虹郎。村上さんは、同じ路上ミュージシャンとしてキリエの歌にほれ込み、キリエをバックアップしていく役柄で、好感が持てた。

路上で歌うキリエのマネージャーを買って出るイッコという女性。それが広瀬すずとは最初気づかなかった。

話が進むにつれて、キリエとイッコは高校時代の友人であったことが分かる。

二人それぞれ事情を抱えた、北海道・帯広での高校時代のシーンも切なく良かった。

作品全編を通して、二人の友情やお互いへの信頼感なども心に響いた。

後、黒木華が演じた、小学時代のキリエを心配し、親身になって何かと力になる女性教師フミも、存在感いっぱいで心に残った。

とりとめもない感想になってしまったけれど、切なくて哀感が漂う作品だった。

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