つるひめの日記

読書、映画、音楽、所属バンド等について日々の覚え書き。

「CCRのライブドキュメンタリー」と「グランツーリスモ」~最近観た感動作2本

どちらも、観てきた友人から薦められて観に行ってきた映画です。

教えてもらうまでは、作品情報も知らなかったこちらの2本。感動したと聞くとより期待感が高まってしまい、そうでもなかったことも間々あるのですが、今回どちらも期待以上の感動でした。

『クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル・トラヴェリング・バンド』

アメリカのロックバンド「クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル(CCR)」のライブドキュメンタリー映画

50年ぶりに発見されたロンドン公演の完全な記録フィルムを4Kで復元し、バンドの日常をとらえた映像やメンバーへのインタビュー、バンド初期のライブ映像などを交えながら、彼らの軌跡を追う。「ザ・ビートルズ・アンソロジー」のボブ・スミートンが監督を務め、俳優ジェフ・ブリッジスがナレーションを担当。(映画comより抜粋)

1970年人気絶頂だったCCRの、最初で最後のヨーロッパツアーを敢行したときの模様が冒頭から映り、ライブ映像の合間にインタビュー映像が挟み込まれる形で、全編ほぼライブステージを楽しめる作りになっていて、とても感動しました!

音響的にも、今まで観たライブドキュメンタリーの中でも抜きん出た迫力があり。まるで観客と一緒になってステージを観ているような気分で楽しめました♪

特に、後半でのロンドン「ロイヤル・アルバート・ホール」での映像はまさに凄いの一言!1曲終わるたびに拍手したくなる誘惑に駆られました。同じ列でやはり一人で来ていた女性も、前のめりでのっているのが分かりました。

8分半のラスト曲『キープ・オン・チューグリンでのバンドのグルーブ感、観客と一体になった盛り上がりは特にすさまじくて。

ヴォーカルのジョン・フォガティも、あれだけ熱唱した後に、よくあんなに凄いブルースハープを吹き続けられるなぁと感心しきりでした。

CCRは、カントリーっぽいロックというイメージだったのですが、この映画を見る限り、私の中ではバリバリのロックバンドのイメージに塗り替えられました。

といっても有名曲くらいしか知らなかった私ですが、知らない曲でも十分楽しめました。何といっても、ジョン・フォガティのソウルフルで、迫力ある歌声には圧倒されっぱなしで。

兄のトム・フォガティが、「唯一無二の歌声だ。」と言っていたのは、本当にそうだと感じました。

CCRは、オリジナルではなかなか目が出なかったので、黒人ミュージシャンのカバー曲でヒットしたそうですが、その当時の黒人ファンへのインタビューでも、「白人が歌おうが関係ない。魂から歌っているのが分かる。あいつは本物だ。」と絶賛していました。

ジョンは実際に、南部に行ったことはなくても、南部を肌で感じられるような曲を作り、BBキングなどの南部の黒人音楽から多大な影響を受けてきたとのこと。

 

当時、CCRは世界中でビートルズに次ぐ、人気ぶりであったというのも知りませんでした。このロンドン公演の直前、ビートルズポール・マッカートニーが脱退を表明し解散が騒がれたとのこと。ビートルズの映像も時々映ったのは嬉しかったです。

インタビューで他に印象深かったのは、ストックホルムとベルリン公演の間で、初のヨーロッパの印象を聞かれた時、「アメリカで就職する場合は、長髪やもみ上げは全てばっさり切るけれど、こちらは皆自由な髪なのが信じられない。」との話。当時はアメリカも自由な雰囲気だったのではと思っていました。

ジョン・フォガティの曲作りについては、常にメロディが優先で、それに合った詩が後からつけられたとのこと。

またジョンは、話す相手と気が合うかどうかは、「相手の目が、脳に近いかどうか」というのも面白く感じました。常に相手の目を見て話すそうで、そこにはっきりした意思や魂が感じられないと、心ここに在らずではだめだってことみたいでした。

意思のある目といえば、ロンドンのライブ映像を観ていて、ドラマーであるダグ・クリフォードの瞳にもそれを感じました。

すごい迫力のドラミングはもちろんのこと、ボーカルであるジョンを見つめる目、または上空ある一点を見つめながらの演奏中の眼差しには、集中力や、とても惹かれるものがありました。

この作品を既に観てきて薦めてくれた音楽仲間も、「CCRのライブ映像自体珍しいのに、その上滅多に見られないドラマーダグの演奏も十分堪能出来た。」と言われていました。

それから、CCRの曲は「反戦歌」が多いというのは知っていたけれど、メンバーのジョンとダグは軍に入隊していたというのは、初めて知りました。

今回久しぶりに映画のパンフも買ったのですが、それに載っていた近年のダグの言葉で、

「我々は現実を見ていた。ベトナム戦争で大勢の若者達が命を失ったんだ。アメリカ人もベトナム人もだ。浮かれている場合ではなかった。CCRの音楽には、目を覚ませ!というメッセージが込められていたんだ。」とありました。

「音楽でハイになるんだ」と、CCRはドラッグにも手を出さなかったそう。

ジョンの兄であるトム・フォガティ以外のメンバーは、中学校時代に出会ってバンドを結成し、その後トムも加入したそうですが、CCRが結成される前の10年間は、徴兵もあり、活動休止していたとインタビュー映像でも言っていたので、それまでの思いがより、全身全霊を込めたようなジョンのボーカルや楽曲、演奏に込められているのだろうと感じました。

(このロンドン公演では、ポールやジョージ、クラプトンも客席で見ていたと、パンフレットにありました。)

一つ残念だったのは、『雨を見たかい』が聞けなかったこと。調べたら、リリースされたのが1971年だったからなのでしょうけど、大ヒットした大好きな曲だし、この曲と『プラウド・メアリー』は、今年初めてライブ演奏したこともあり、エンドロールでは流して欲しかったなー、と。

(以上、インタビューなどの言葉は、記憶を頼りに書いたので若干アバウトです。)

 

映画の予告編にもありましたが、昨日からこちらのリバイバル69』も始まったようですね。1969年トロントでの伝説のロックフェスの舞台裏が描かれているのだそう。この作品は、もっと多くの劇場で上映されているようですね。

 

映画を見終わって、近くにある「東京ミッドタウン日比谷」の庭園に寄って、爽やかな風に吹かれながら、しばし映画の余韻に浸っていました。

ビル内にある「TOHOシネマズ日比谷」から、エスカレーターで6階に上がると、日比谷公園などが一望できる、静かな庭園があります。

秋らしいうろこ雲。ブロ友さんのあい青子さん (id:AIaoko) が以前、うろこ雲を「たくさんの渡り鳥のよう」と表現されていたのを思い出しました。(*^-^*)

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このロンドン公演での曲、YouTubeに上がっていました。この「Commotion」もとてもかっこよかった♪

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今回やらなかった『雨を見たかい』。

 

グランツーリスモ

CCRの感想が長くなってしまったので、なるべく簡単に書きます。^^;)

こちらは友人3人でランチしたときに、映画好きな友達から、「車やレーシングゲームに全く興味なくても、すごく面白かったよ!」と強くおすすめされ観てきました。

 

世界的人気を誇る日本のゲーム「グランツーリスモ」(ゲームクリエイター山内一典氏考案)を愛するイギリスの少年が、カーレースのトップレーサーになる夢を描く、実話に基づいたカーアクション映画。

最高に面白くて感動する、とってもいい映画でした。

レース展開は手に汗握るハラハラドキドキの連続であり、主人公の少年、ヤン・マーデンボローの家族や教官との人間関係も、後半は胸熱く描かれていて。

ヤンには色々な試練も待ち受けていて、感涙する場面も多々あり、特にヤンと父親との関係や、教官との信頼関係が徐々に増していく場面が心に残りました。

ヤンの教官であるジャックも、元は有能なレーサーであり、ジャックがレーサーを辞めた理由が分かって来る辺りも胸に迫って来て。

その鬼教官であるジャックが、ヤンたち訓練生に最初に告げた、レース中にかかるGは、ロケット打ち上げ時の2倍だという話にはびっくりでした。その過酷な条件の中、生死を分けるコンマ1秒の判断を強いられるとは。

レーサーとは、なんて凄いんだー!と感じましたm(__)m

スクリーンで久々に見たオーランド・ブルームは、日産側の社員で、「GTアカデミー」発足人であるダニー役を演じていました。

「GTアカデミー」とは、ゲーム「グランツーリスモ」のトッププレイヤー達を本物のプロレーサーに育成するプログラム。

ヤンが日本の日産に出向くシーンなどでは、ヤンが憧れていたという、渋谷のスクランブル交差点が映ったり、フランスのル・マンほか、世界中のレース会場の風景やその雰囲気も楽しめました。

ヤンがレース前に心を落ち着かせるために必ず聴いている、ケニーGやエンヤの曲も良かったし、その曲の使われ方も良くて。

エンドロールで、この映画のモデルである実際のヤン自身が映り、お~と思ったのですが、この作品のレース場面で、スタントマンを演じていたとのこと。

見終わった後も爽やかな余韻に浸れ、ゲームに熱中する少年たちにも、大きな夢を与えてくれる作品だと感じました。

 

余談ですが、近場の映画館で着席したら、斜め後ろから声をかけられ、振り返ったら、ランチの時一緒に映画の話を聞いていたもう一人の友達でした。その日お互いバイトが休みだったのですが、まさか斜め後ろにいらしたとは。( ゚Д゚)

最寄り駅は同じなので、感想を話し合いながら帰ってきました。(*'▽')

 

CCRの映画はもう終わってしまいましたが、こちらはまだ上映しているので、この連休中何かスカッとしたものを見たい、と思っている方にもオススメです!

長文にお付き合い下さり、ありがとうございました。(^^)/

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