つるひめの日記

読書、映画、音楽、所属バンド等について日々の覚え書き。

絵本『くらやみきんしの国』『みどりのほし』『もうぬげない』

最近、続けて3回絵本を読む機会があり、そこで読んだ3作品を紹介します。

『くらやみきんしの国』

イギリスの絵本作家、エミリー・ハワース=ブースの作品。

先週、小学4年の教室で読んだ絵本です。

地元の図書館に借りに行ったとき、おすすめコーナーに、その季節に相応しい絵本ではなく、珍しく学年別おすすめ絵本が並んでいたので、小3・4年のコーナーにあったこの絵本を選びました。

読み聞かせにしては、ちょっと絵が小さく見にくいかなとは思ったものの、風刺が効いたストーリーとシュールな絵が、子供に限らず大人でも楽しめる絵本でもあり気に入ったので。

【あらすじ】

小さい頃から、暗闇がとても怖かったある国の王子様。

暗闇を何とかするんだと、自分が王様になったとき、国中、暗闇禁止にする決意をする。王様になった日、その考えを大臣たちに話すと大臣たちは、

「急に禁止を言い渡しては、国民は納得しませんよ。しかし自分たちが決めたと思い込ませれば、上手くいきますよ。」と助言する。

こうして大臣たちは、あらゆる手段を使い、暗闇についての悪い噂を流し始める。

その巧みな情報操作により、国民は急に、暗闇がとんでもなく悪いものに思えてきて、騒ぎはじめる。

そこで王様は、待ってましたとばかりに、暗闇禁止を宣言する。

誰もが自分たちの願い通りになったと思い込み、大喜びをする。

ライトがついた帽子「闇除けハット」が国民に配られ、巨大な人工太陽をつくらせて、お城の真上に設置する。

最初のうちは、だれもが一晩中浮かれ騒いでいたけれど、しばらくすると、皆眠気がさしてきて、明るさに嫌気がさしてくる。

このままではいけないと、皆はっと気づき、電気を消しても罰せられないように、国民は密かに作戦を立てる。

その作戦は成功し、夜の暗闇を取り戻した国民たちは、大臣たちが思うほど愚かではなかったというお話。

 

毎年暗闇を取り戻したこの日が来ると、国の人々は花火を打ち上げる。

「皆が危うく失くしかけたものを、ちゃんと覚えていられるように。」との言葉からは、日本での「憲法第九条」を連想しました。

アホな王様の話ですが、国やマスコミによる巧みな情報操作、扇動には気をつけよという示唆を感じ、ユーモアを持ってそれを教えてくれる作品でもあります。この国民のように、賢くありたいです。

明かりが消えた暗闇の中、空いっぱいの花火の絵がとても綺麗です。

この作品、気合を入れて読んでいたら、何故か「ファミリーヒストリー」での余貴美子さんのナレーションの声が脳裏に浮かんできて、そのイメージで読んでみました。

いつも誰かのイメージで読んでいるわけではなく、声も似てはいないのですが^^;

 

『みどりのほし』(林木林・作/ 長谷川義史・絵)

今月の図書館「読み聞かせ」で読みました。

最後のページに紹介されていた、2011年にできた林木林さんが作詞された曲『みどりのほし』。この歌に歌われている発見が、絵本になったそうです。

 

なんだかつまらない日、僕は夏みかんのてっぺんにある「へた」を見て、「みどりのほし」を発見。

畑の野菜にもっとあるかなと探したら、トマトやピーマン、ししとう、花もみなこの「ほしのかんむり」をかぶってる。

それは、緑の星である地球で生まれ育ったしるし。

星のような葉っぱが寄せ集まると、そのきらめきは、緑の星での天の川のよう。

天の川を走り、流れ星と追いかけっこをしたり、その星と手をつないで緑の上で大の字に寝そべると、「僕」も星座を作っている星なんだと思えてくる。

ぼくたちはみんな緑の子どもであり、星の子供なんだ…

 

野菜や果物の「へた」を、「みどりのほし」と表現しています。

「みどりのほし」探しから、「僕」の空想が自由に広がって行きます。

林木林さんの豊かな発想の詩に、何とも色鮮やかな長谷川義史さんの絵がマッチして、どのページもとても美しく素敵なんです。

果物や花の色鮮やかさのみならず、日の光を浴びた、木の葉がたくさん集まって様は、確かに緑で出来た天の川や、その星がたくさん寄せ集まって、きらきらきらめいているように見えます。

主人公の「僕」のように、他にも、地球上にある小さな緑の星を私も見つけたくなったり、自分たちの命もまたそれらと繋がっていて、一つ一つ星のように輝いているような気持ちになれました。

 

『もうぬげない』ヨシタケシンスケ・作)

「ぼくのふくが ひかかって ぬげなくなって もうどのくらい たったのかしら」

「ぼくは このまま おとなに なるのかな」

着替えるとき服が引っ掛かり、脱げなくなった状態でずっと途方に暮れ、色々な思いを巡らせる男の子。

その突拍子もない空想も、胸とおへその部分が顔に見えるのが、漫画チックで面白くて、つい笑ってしまうほのぼのとした絵本です。

ラストのオチが最初に繋がっていって、思わず「ズコー」となってしまう可笑しさが、さすがです!

 

こちらは、小学校での読み聞かせグループが毎年呼ばれている、地元の幼稚園での「敬老の日」向けイベントで読みました。

地元ボランティアの、じいじやばあばと一緒に遊ぼう!的なイベントです。(^▽^;)

当日読む予定の絵本は、事前に幼稚園から渡されていました。

ホールで園児からの歌のプレゼントや、私たちもお返しの歌を歌った後は、各クラスに分かれ、私は年少さんのクラスで一緒に遊びました。

最後での絵本読み聞かせも、笑いながらも集中して聴いてくれました。

 

参加を頼まれて、行くまでは面倒だなぁと思ってはいたものの、いざ参加してみたら、子どもたちは膝に乗って来たりで懐いてくれて、皆とても可愛く、楽しかったのでした♪

まぁほんのひと時だったから、特に子供好きとは自覚していない自分でもそう思えたのであり、幼稚園や保育園の先生は毎日大変だろうなと思います。

イベント終了時、園児たちが、私達の首にかけてプレゼントしてくれました。裏には先生の字でお礼の言葉が書かれていました。

 

彼岸花、今年も近所で綺麗に咲いていました♪

【おまけ】

友達から「こんなの見つけた」と、写真が送られてきました。私も初めて見ました。笑