つるひめの日記

読書、映画、音楽、所属バンド等について日々の覚え書き。

映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』感想

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先月公開からずっと気になっていたインド映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』をようやく先週末観に行って来た。

単館上映でしかも土曜日だったので、客席はほぼ満席に近かった。

インド人の青年が、迷子のパキスタン人の少女を親元に送り届けるため旅に出る姿を描いた人間ドラマ。

声が出ないパキスタンの少女シャヒーダー(ハルシャーリー・マルホートラ)は、母親とインドのイスラム寺院に願掛けに行った帰り道ではぐれてしまう。ヒンドゥー教徒のパワン(サルマーン・カーン)は迷子の彼女を預かるが、後に少女がイスラム教徒だと知る。対立する両国の現実を背負いつつも、パワンは国境を越え少女を親元に送り届けようとする。~シネマトゥディより~

 

観るまでは、ただ親切なおじさんが迷子の女の子を無事に送り届ける、ハートウォーミングなロードムービーかなと思っていたのだけど、パキスタンとインド両国の宗教の対立や政治的問題での仲の悪さが立ち塞がり、後半はハラハラドキドキの連続で、映画の長さを感じさせなかった。ラストはこうなるだろうとある程度予想出来たけど、それを超える感動的なラストだった。

それにしても、インドとパキスタンがこれほど対立しているとは知らなかった。

 

主人公の青年パワンがお人よしでバカ正直で、いくら信仰心が熱くても、これほど愛に溢れた人がいるのかと思うほど。この誠実さが両国の人々の心を動かす。

声を出せない迷子のシャヒダー役を演じた女の子も、さすが5000人のオーディションから選ばれただけあるとっても可愛らしい女の子で、「あちゃ!」という感じで、おでこを手でパチンと叩く仕草もほんと愛らしい。

 

そして、映画冒頭や後半でのパキスタンカシミールの美しい山脈風景の映像にも圧倒された。スイスのアルプスの風景にそっくりで、この雄大なシーンだけでも大きなスクリーンで見る価値大だった。

 

インド映画は今までで数本しか見たことはないけれど、お約束?の歌いながら踊るシーンも、圧倒的な映像美と迫力で、それらのシーンは今までみたインド映画の中で1番だと思う。

 

インドの列車の中で迷子になってしまうのは、2年位前に観た「ライオン・25年目のただいま」とちょっと似ているかな。この映画も、ラストで初めて映画のタイトルの意味が胸に迫って来て、とてもいい作品だった。

 

笑えて泣けて、帰り道、ほっこり温かい気分が続いていた♪