つるひめの日記

読書、映画、音楽、所属バンド等について日々の覚え書き。

『流浪の月』『トップガン マーヴェリック』~最近観た映画

映画『流浪の月』

公開されてから観に行きたいなぁと思っていて、やっと一昨日観てきた。

日曜だけあってかなり混んでいて、映画館で隣に人が座っているのは久しぶりだった。

gaga.ne.jp

帰れない事情を抱えた少女・更紗(さらさ)と、彼女を家に招き入れた孤独な大学生・文(ふみ)。居場所を見つけた幸せを噛みしめたその夏の終わり、文は「誘拐犯」、更紗は「被害女児」となった。
15年後。偶然の再会を遂げたふたり。それぞれの隣には現在の恋人、亮と谷がいた。

(あらすじは、公式サイトより)

監督は『フラガール』『悪人』などの李相日

2020年本屋大賞受賞の、凪ゆうの原作は未読。

始終重苦しい気分で観ていたけれど、3時間近くの長さはあまり感じなかった。

後半、やっと静かな生活を手に入れたはずの文が、何故またこのように追い込まれてしまうのか、その展開にイライラしたけれど、ラストで一気に心揺さぶられ感涙だった。

文役・松坂桃李、更紗役・広瀬すず、亮役・横浜流星、それぞれの役になり切った迫真の演技力には始終圧倒され、撮影中の精神状態を心配してしまったほど。

特に松坂桃李の表情や演技には静かなすごみのようなものを感じ、心がもう現世には生きていないような、孤独で空虚な瞳など、その細いシルエットとともに心に焼き付いている。

現在の文の恋人役である多部未華子は、少しだけの出演でも、文に訴えかける涙をためたその表情などもうさすがだなぁの一言。

文の母役を演じた内田也哉子は、樹木希林を彷彿させるような佇まいで存在感あり、母親役を演じる年齢になったのだなぁと感じた。

 

観終わって、今までの数多くの事件の中でも、世間からきっとこうだったはずだと、事実とは違う烙印を押されて、誤解されたまま生きていかなければならない人は数知れずってことが伺えたし、ネット社会の今は、もっとたちが悪いのは、この映画を見るまでもなく歴然としているこの世の中。

作中にあった台詞で、

「人は、自分が見たいようにしか見ない。」

とあったけれど、結局自分を含めた誰でも、物事でも人でも「自分の解釈でしか見ていない。」ということを突き付けられたような、考えさせられる作品だった。

更紗のバイト先のファミレス店長(三浦貴大)の、

「世間が決めつけている見方とは別に、一方あなたのことを本気で心配し気にかけている人もいるんだ。だからもっとそちらに目を向けて欲しい。」

というようなことを更紗に訴えたことばも人柄が表れていて心に残った。

始終重苦しい気分で観ていたといっても、日差しの中風に揺れるレースのカーテンのきらめきが時々挟み込まれる場面などは、更紗たちの解き放たれた気持ちと呼応しているようで、更紗たちの解放感、平穏さ、喜びがこちら側にも明るく伝わってくるようだった。

同じような場面で受けた感情は、以前観た『朝が来る』でもあったなと思い出した。

ラストで更紗が文に言ったこの作品タイトルに通じる台詞も良かった。

 

この世の中で、このような辛い経験ではなく、更紗や文のような孤独な魂同士が、家族や友人、恋人などの枠を超えてより多く巡り合うことが出来ればいいと思うし、もっと寛容な世の中になって欲しいと感じた。

文自身が抱えた事情がよく分からない部分もあったので、機会があれば原作も読んでみたいと思うけど、読み進めるのが辛くもなりそうだ。

 

更紗の子供時代を演じた、白鳥玉季ちゃん、連ドラ『極主婦道』でも好演さていたけれど、さらに大人っぽくなりこの役柄にぴったりだと思った。

 

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映画『トップガン マーヴェリック』

話題の『シン・ウルトラマン』も観たいなぁと思いつつ、時間が合うこちらを観てきた。

36年前公開の、同じくトム・クルーズ主演『トップガン』の続編。

マーヴェリック(トム・クルーズ)は、かつて自身も厳しい訓練に挑んだアメリカ海軍パイロットのエリート養成学校、通称「トップガン」に教官として戻ってくる。父親と親友を空で失った過去を持つ彼の型破りな指導に、訓練生たちは反発する。彼らの中には、かつてマーヴェリックの相棒だったグースの息子ルースター(マイルズ・テラー)もいた。

(あらすじは、yahoo!映画より)

いや~、なんて凄い映画を観てきちゃったんだろう!っていう一言に尽きるような作品だった。まさに映画館の巨大スクリーンで観るべき映画。

IMAXと迷ったけれど、そちらは吹替えだったので、字幕版を選んだ。

昔の前作は、映画はレンタルビデオを借りまくって観ていた時期だったので、映画館でなくレンタルで観たのだと思う。

内容も詳細は忘れてしまったけれど、今作を観ていて色々思い出した。

スケール感は、前作よりずっと半端なく大きくド迫力だった。

topgunmovie.jp

こちらの公式サイトにもあったけれど、

トム・クルーズは、究極のリアルを求め、CG合成を一切使わず飛行シーンを撮影。

戦闘機にIMAXクオリティカメラを搭載して本物の臨場感を映像化することに成功したそうだ。キャストたちも3か月以上にわたる厳しい訓練を乗り越えて、常人の限界を超えるGが加わる実際の戦闘機に搭乗して、過酷な撮影に挑んだそう。

なので、観ていてまるでトム・クルーズの目線で、一緒に美しい空を飛んでいるかのようだった。

後半での戦闘機での任務遂行シーンでは、そのスリルと迫力いっぱいのスカイアクションにドキドキ感が止まらず、これはひょっとして動悸ではあるまいか?と心配になったほどで(^▽^;)

あっぱれなエンディングにも感涙だった。

ド迫力の映像だけではなく、亡き親友の息子との葛藤や、訓練生たちと次第に心を通わせていく様子、前作同様マーヴェリックの恋愛模様なども絡め、ストーリー展開も良かった。

そして、トム・クルーズの活躍ぶりに、とても元気がもらえた作品だった。

流れていた曲は、序盤、T-REXの「Get It On」がかかりオッとなったけれど、前作『トップガン』での大好きになった挿入歌、ベルリンの『Take My Breath Away(愛は吐息のように)』ほど印象に残る曲はなかったような。

なので、最後に懐かしのベルリンの『Take My Breath Away』を最後に♪

youtu.be

現在59歳のトム・クルーズ。その年齢よりずっと若々しく渋みも増してかっこよかったけれど、前作のこの頃はやはりもっと若かったなぁ。

そういえば、前の仕事で一緒だった映画好きな友達が、今まで観た映画ベスト1は『トップガン』だと言っていたので、この新作ももう観たかも知れない。

今度久しぶりに連絡してみようかな。

 

それから、映画つながりの話題で、今日の新聞に載っていたのだけど、女優・片桐はいりさんが、なんと映画館「キネカ大森」で、12年前からもぎり役に復帰しているそう。

多いときは週4で無償でやっているらしい。キネカ大森、行ったことないけど行ってみたくなりました(^^♪