絵本『おっこちてきた』(サイモンプトック・文/ダニエルイグヌス・絵/青山南・訳)
先月、小学校で読んだ作品。表紙の絵に惹かれ、手に取ってみました。
ある日、突然空から落っこちてきた、青く丸い物体。そのまま動かず、音一つたてない。
そこに次々と通りかかった4人は、声をかけたり、雨に濡れないように小屋を建てたり、それの世話をし始める。
そのうち見に来る人が多くなって、遊園地ができ、商売を始める人も。
カメラを取り付け、その様子をテレビで眺められるようにもなる。
世界中で有名になったけれど、好意的に思う人もいれば、気持ち悪いと思う人や叩き出せという人もいて、世界中で意見が真っ二つになり、とても嫌な感じになって来る。
するとある朝、それは音もたてずに飛び去ってしまう。
それは急にいなくなってしまったけれど、4人は並んで陽が沈むのを眺めながら、それぞれの心の中に「仲良しになったんだ」という思いが落っこちて来て嬉しくなる。
きっとまた会おうと約束して、別々の方角に帰って行く。というお話。
また飛び去ってしまったけれど、その謎の物体がきっかけで、4人に仲良しになったという思いが「落っこちてきた」というオチがいいです。絵もユニークで可愛く、不思議でもあり温かい話でした。
わけがわからなかったり理解出来ないものに、人はより恐怖心を掻き立てられるのでしょうね。UFOだとしたら、中で宇宙人がそんな人間達の様子を、逆に観察しているような気がします。
ニュージーランド生まれでスコットランド・エジンバラ在住の作家と、スエーデン生まれでギリシャ・アテネ在住の画家との作品のためか、作品の世界観も大きく感じました。
紙芝居『おやゆびたろう』(脚本・水谷章三/絵・伊藤秀男)
先月の図書館では、紙芝居が担当だったので、こちらの作品を選びました。
日本昔話の再話。
子供がいなく寂しく感じていた、じさまとばさま。ある日、ばさまの指がぷく~っと膨れ、そこから生まれたおやゆびたろう。
ずっと小さいままだったおやゆびたろうは、「おら、じさまの手伝いをしたい!」と、外の世界に飛び出します。
見世物にしようとする悪い男から逃げたり、風に飛ばされたり、大きな魚に飲み込まれたりの大冒険をした後、どうしても帰るんだと、いきんだ拍子に大きくなったのがきっかけで、魚のお腹から飛び出し、無事二人の元に帰って来て、めでたしめでたし。
似ている話では、「一寸法師」や「おやゆび姫」が有名ですが、この話はよく知りませんでした。
おやゆびたろうをさらって、見世物にする悪い男の顔や、たろうが魚の中でいきんだ時の絵が豪快でインパクトあり、面白い作品です。
「あれあれ、まあまあ、へぇ、よかったなぁ。じさま。」など、ばさまやじさま、おやゆびたろうそれぞれの台詞を、自分も楽しみながら演じることができました。
始まる前に、バイト先で顔馴染みの親子の方が児童室にいたので、誘ってみたら聞きに来てくれました。終わってから、紙芝居を色々選んで借りて帰られたようでした。
紙芝居というと、子供時代、公園でよく紙芝居を見たのが懐かしいです。
拍子木を打ち鳴らして、紙芝居屋のおじさんが子供たちを集め、駄菓子を買って、それを食べながら見ます。
駄菓子の中では、型抜きや水飴、ソースせんべいなどが特に好きでした。
紙芝居のおじさんは、駄菓子を売るため、紙芝居をやっていたのだと思います。
『ちびまる子ちゃん』の話にもよく登場しますが、まさにあんな感じの昭和の駄菓子屋さんが家の近くにも何軒かありました。
私が住んでいた下町の駄菓子屋では、もんじゃ焼き屋も兼ねていて、老夫婦が経営していて、店の奥にもんじゃ焼き用の鉄板が何台か置かれていました。
当時のもんじゃは、一人前10円か20円程度で、料金的にも子供のおやつにぴったりでした。
もんじゃ焼きというと、東京の月島が有名ですが、昔は先ず土手を作るなんて食べ方もありませんでした。
もんじゃを焼いた後にできる香ばしいおせんべいが、これまた大好きで。
紙芝居を見たのは小さい頃でも、駄菓子屋さんは少なくとも中学の頃までは健在で、もんじゃ焼きを食べに行った記憶があります。いつ頃から無くなってしまったのでしょか…
そうそう、当時、紙芝居を見た公園で夏の夜にアニメ上映会があり、『魔法使いサリー』を見たのも懐かしいです。
それは、サリーちゃんの友達(?)のバレリーナが怪我をして、でもなんとか舞台に立たせてあげたくて、サリーちゃんが魔法をかけ、夜空を飛ぶ馬車でそのステージまで送ってあげるのですが、夜空を飛んでいる場面で「白鳥の湖」が流れていて、そのメルヘンチックなシーンだけは特に心に残っています。
話が脱線しましたが、夏は子供時代の思い出が色々蘇ります。
では最後に、夏の週末にふさわしい、爽やかなジョン・メイヤーの曲を♪
"Love on the Weekend"
雄大な風景の映像も、美しく涼し気です♪