つるひめの日記

読書、映画、音楽、所属バンド等について日々の覚え書き。

絵本『きみとぼくがつくるもの』~都心の最高峰『箱根山』

先週の土曜日、図書館での「読み聞かせ」はこちらの絵本、

『きみとぼくがつくるもの(いっしょに みらいを いきていくための けいかく)』(オリヴァー・ジェファーズ・作/tupera tupera訳/ほるぷ出版を読みました。

図書館で次回読む絵本を探していて、ふと目に留まりました。

ご自身の娘さんへ、そして世界中の人へ向けて描かれたような、オリヴァーさんの愛がたくさんつまった作品で、一度目を通しただけで心にこみ上げてくるものがあり、是非読みたいと思いました。

対象年齢は2、3歳からとありましたが、小学生くらいからでないとちょっと難しいかも知れません。

でも一緒に聞いて下さる親御さんにはぴったりで、どのページの絵もとても美しく、小さなお子さんの心にも残るかと思いました。

この絵本は、お父さんが小さな娘である「きみ」へ語りかける形で描かれています。

手書きの文字からも温かさが伝わってきます。

きみの未来に向けて、愛とユーモア溢れる想像力で、生きていくための計画を提案しています。

また、「きみ」が本当に辛く困ってしまったときを想定して、大事なものをしまっておける小さな小屋もつくっておこうという部分では、この「小さな小屋」とは「心」のことでもあり、大切な思い出などがしまっておける場所がしっかりあると、困難に直面したときの力になるというメッセージのように感じました。

 

まず道具を集め、ドアをつくり、家をつくり、その家では温かい思い出をたくさんつくる。

たまには隠れたくなったときのために、庭に大きな穴を掘り、嫌いな敵から身を守るために、高い塀もつくる。

「でもね、勝つこともあれば負けることもあるし、いつも君が正しくて、敵が悪いとは限らない」「だから、みんなを中にいれてあげる、入口もつくろう」

次のページでは、

「一緒にお茶するためのテーブルもつくらなくっちゃね。そしたらきっと言える…」

という言葉とともに皆がテーブルを囲んで、

「ごめんなさん」「ぼくもわるかった」「わたしもいいすぎたわ」との台詞を口々に言います。

大好きな物語「オズの魔法使い」での、悪い魔女もいるのが嬉しいです。

この場面含め、世界中の指導者にも読んで欲しい作品です。

ラストの方での、「だいじょうぶ、きっとうまくいくよ」という言葉は、特に心を込めて読みました。

「さあ、いっしょにつくっていこう…」という最後のページでは、小さな手が大きな手に重ねられていて、明るく力強い希望を感じます。

 

この絵本には、作者からのメッセージも記載されています。

これから 人生を 歩んでいく きみへ。
このけいかくが あれば だいじょうぶ。
すべて うまくいくよ。
きみとくらす家。あたたかな思い出。トンネルや道。ゆっくり休めるハンモック。

きみが本当に困ってしまったとき、ひつようになる場所も、いっしょに作ってこう。
ふたしかな未来へと歩きはじめた、すべてのきみたちへ。この絵本をおくります。

今を生きのびるために精一杯闘っているときには、未来のことを自由に思い描いて、計画を立てることなんてできない。

僕たちよりも困難な状況にある、父親と娘たちへ。

この地球上のみんなが、平等になることを、僕らは願っています。

心をこめて オリヴァーとマリーより

このメッセージからも、今まさに世界中で困難に直面している人々に幸福が訪れるよう、作者の祈るような気持ちが作品に込められているのが伝わってきます。

オリヴァーさんと娘のマリーさん。(絵本より)

オリヴァー・ジェファーズさんは、北アイルランド出身で現在はブルックリン在住。

『ほら、ここにいるよ』ほか、数々のベストセラーや受賞作品が、世界中で翻訳されているそうです。

訳者である、tupera tuperaは、亀山達矢・中川敦子さん二人組のアーティストであり絵本作家。しろくまのパンツ』はじめ、やはり数々のベストセラーや受賞作品を生み続けられていて、現在は京都在住だそうです。

 

是非、たくさんの方に手に取って頂きたい絵本です。

* * *

 

翌、日曜日は、昔の職場の仲間と都内散策に行ってきました。

一応「低山の会」という名がついているのですが、私は膝の調子があまり良くなく、階段を上るときはよくても、最近下りるのがぎこちなくて、低山といえど参加は無理だと思っていました。

ですが、今回は標高わずか44mの山だというので、参加してみることに。

その箱根山とは、神奈川県の箱根にあるのかと思ったら、新宿区の戸山公園内にある「箱根山」で、都心で一番高い山なんだそうです。

「東京発 半日ゆるゆる登山」というガイドブックをもとに歩きました。

<散策ルート>

江戸川橋駅~江戸川公園~肥後細川庭園~演劇博物館(早稲田大学)~甘泉園公園~穴八幡宮~戸山公園内「箱根山」~「花園神社」~新宿駅

 

朝10時に有楽町線江戸川橋駅に集合し、駅前から続く、神田川遊歩道沿いからスタートしました。この日は暑いくらいの陽気でした。

「江戸川公園」の名は、江戸時代当時、この付近の神田川が江戸川の名で呼ばれていたことに由来しているとのこと。

江戸川区ではないのに、江戸川橋の駅名などの謎が、今回初めて解けました。

この道、神田川桜並木は桜の名所としても有名で、目黒川沿いほど人出は多くないそうで、穴場だと仲間が言っていました。

綺麗に整備された道で、ウォーキングやジョギングしている人と時々すれ違いました。

右手に「椿山荘」を臨みながら「一休橋」、松尾芭蕉ゆかりの「関口芭蕉庵」を通り過ぎ、熊本にゆかりのある「肥後細川庭園」に寄りました。

美しい日本庭園を散策した後は、くまもんが出迎えてくれる茶室で、お抹茶をいただきました。お菓子は「加勢以多」という熊本の銘菓です。
それから、「大隈庭園」もコースに入っていたので、早稲田大学に向かいました。

庭園は残念ながら休館日でしたが、「演劇劇博物館」で今開催中の、村上春樹 映画の旅」という無料の企画展を見学したく、ちょっと寄ってもらいました。

館内は撮影禁止でしたが、村上春樹のエッセイや小説に中に登場する数々の映画、小説を映画化した作品などに関する多くの資料(写真・ポスター・台本など)が展示されていました。

「ドライブマイカー」の映画では、主な登場人物たちの衣装も展示されていました(この作品は公開時に観たのですが、ブログに書きそびれてました💦)

その後は、すぐ近くにある「甘泉園公園」に行きました。

甘泉園公園は、回遊式日本庭園で、ルーツは江戸時代・明治時代に遡り、江戸時代は、徳川御三家尾張徳川家の領地だったそう。

その名の由来は、この庭園の湧き水がお茶に適していたからだそうです。

銀杏がたくさん落ちていて、近所の親子の方が銀杏拾いに来ていました。

池に、黄色というより金色に近い鯉がいたので、写真を撮ったら、池に映り込んだビルが「ウルトラQ」のようにねじ曲がり、異次元空間のようになってしまいました。笑

ランチの後は、「穴八幡宮へ。

「穴八幡宮は、開運・金運・商売繁盛にご利益があるパワースポット。今まで何度かこの前を通り、気にはなっていたものの今回初めてお参りしました。

そしていよいよ、メインの目的地である箱根山へ。

戸山公園に入り、緑の中なだらかな坂道を上がっていき、最後に頂上までの階段を数段上ると標高44・6mの「箱根山」の頂上です。

山頂では、フクロウがお出迎え。戸山公園サービスセンターへ出向けば、自己申告で「登頂証明書」を発行してくれるそうです。

この地は、もとは尾張徳川家下屋敷で、通称「戸山山荘」といわれていたそう。明治7年からは陸軍戸山学校用地となり、この頃からこの園地の築山を「函根山」「箱根山」と呼ぶようになったようです。

この後はまだ時間も早かったので、静寂で清々しい空気の戸山公園を後にして、明治通りを進み、予定していなかった新宿方面まで歩くことにしました。

新宿にある「花園神社」は、改装工事中のようでしたが、境内では骨董市が開かれていて、賑わっていました。

猫カフェ」はよく聞きますが、「犬カフェ」を見つけたので、寄りたくなりました♪

TOHOシネマズのビルを、まさに壊さんとしているゴジラを発見!笑
打ち上げ後、新宿駅で解散になりました。

私は電車で高田馬場駅まで戻り、西早稲田のアパートにもう10年住んでいる次男を誘い、駅前で夕食を一緒に食べてから帰りました。

余談ですが、私の母は群馬県出身なのですが、その母が2年前に亡くなり手続きで戸籍を遡って調べたときに、母方の祖父母が結婚後しばらくの間、群馬から転居して、次男と同じ西早稲田に住んでいたことが分かり驚きました。

昔この辺りは「戸塚町」という地名で、今でも戸塚警察署など昔の地名が残っているようですが、祖父母が住んでいた住所を調べると、次男の住まい付近だったので、とても不思議な縁を感じました。

 

今回のルートは初めての場所が多く、桜の名所である神田川沿いや「戸山公園」は、また桜の季節に訪れてみたいと思いました。

この日は12キロも歩き疲れましたが、私より膝が悪い仲間から、歩いた方が調子良くなるよと言われ、なるほど翌日疲れはかなり残っていたものの、膝は普段より調子良い感じがしました。

 

テーマ毎に記事を分けて書けばいいのですが、つい一緒に書いてしまい、また長くなってしまいましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。