昨年末、映画『パーフェクト・ケア』を観て来た。
テレビで話題になっていたり、はてなブログでも、色々な方々が面白かったと感想を寄せていたのもあり。
劇場では当初3週間の限定公開だったらしいけど、公開期間が少し延びたようで、関東圏では角川シネマ有楽町の1館のみ明日までやっているようだ。
久しぶりの有楽町は、歳末セール真っ最中でとても賑やかだった。
こちらの映画館も久しぶり。
過去にビートルズ関連の作品、『アクロス・ザ・ユニバース』や『愛しのフリーダ』『エイト・デイズ・ア・ウイーク』、ジョージ・ハリスンの『リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』他、様々な音楽関係の秀作も数多く上映され足を運んだっけ。
“完璧なケア”で裁判所からの信頼も厚い法定後見人のマーラ・グレイソン。
だが、その正体は合法的に高齢者の資産を搾り取る悪徳後見人だった。
そんなマーラが次の獲物に定めた資産家の老女ジェニファー。
身寄りがなく格好の餌食となるはずが、なぜか彼女の背後からロシアン・マフィアが現れて――。
主人公マーラを演じたロザムンド・パイクは本作で第78回ゴールデン・グローブ賞 主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)受賞。
監督は『アリス・クリードの失踪』(11)のJ・ブレイクソン。
(公式サイトより)
この『パーフェクト・ケア』は、音楽映画ではないけれど、冒頭からノリの良い音楽とスピーディーな話の展開にグイグイと惹き込まれ、あっという間の2時間で、評判通りとても面白かった。
冒頭語られた「昔は私もあなたのように考えていた」というような、主人公マーラの正義についての考えが変化して来た台詞も印象的だった。
話は二転三転とどんでん返しがあり、先が読めない展開で、途中小腹が空いたら食べようと思っていたお菓子も食べるのも忘れ、始終スクリーンに釘付けになっていた。
(口をあんぐりと開けたような、こんな感じ…。なぜかちょんまげ。)
クライムサスペンスコメディらしいけど、コメディというより、私には最後までハラハラドキドキのサスペンス映画って感じがした。
主人公はとんでもない悪徳後見人なんだけれど、そのマーラを演じるロザムンド・パイクが役にぴったりで、昔演じていたボンドガールよろしく、無敵で恐いもの知らずな姿はむしろ清々しいくらいにアッパレであり、やはり美人女優だから悪役でも魅力的なのだろうなと感心した。
そのスタイリッシュなファッションも楽しめた。
ある日突然、裁判所の命令だと、認知症でもないのに老人介護施設に軟禁されてしまうのは、自分の身に起こったとしたらとても恐ろしく感じた。
その上、携帯電話も没収され誰にも連絡出来なくなってしまうなんて。
数か月前に、私も遠くのお店に充電中だったスマホを忘れ、連絡先は全てその中で、そのお店にも誰にも連絡出来ずに焦ったことを思い出した。
それからは、手帳に知人の連絡先を記入しておくようにしたけれど、その時ほどFacebookをやってなかったことを後悔したことはない( ̄▽ ̄;)
って、話が逸れてしまったけれど^^;
見ていて手に汗握ったシーンも色々あり、例えばマーラが水中に沈んだ車から脱出する場面。
泳ぎが苦手で肺活量も乏しい自分だったら、先ず脱出までに息がもたないだろうし、マーラのように足でフロントガラスを蹴破ることも無理であろう。
と、つい自分に置き換えてドキドキしてしまった。
(そんなことをトライするのは私には到底無理…)
その後、死の淵から生還して、ガソリンスタンドの売店に現れた時のマーラの雄叫び姿は、もはや人間というよりターミネーターのようなサイボーグを連想させるような逞しさだった。
なぜ、ただの法定後見人の女性があそこまで強いのか⁈と不思議だったけど。
アメリカの後見人制度と、日本のそれとはだいぶ違うようだけど、ディフォルメはしていても、高齢化社会には起こりそうなことであり、こんなことがまかり通ってしまう世の中は空恐ろしく感じた。
けれど、娯楽映画としては十分楽しめた。
マフィアのボス役を演じていた、ピーター・ディンクレイジの怪演ぶりも光っていたけれど、出演俳優の中で一番馴染みがあったのは、『I am Sam』『シザーハンズ』『パッセンジャーズ』『運び屋』など過去大好きな作品に出ていた、ダイアン・ウィースト。
最初はおっとり品の良い老女に見えたけれど、凄みのある不気味な微笑みなどの表情が特に良かったなぁ。
明けましておめでとうございます🎍
今年もどうぞ宜しくお願い致します!
皆さまにとって幸多き一年となりますように(^^)/