つるひめの日記

読書、映画、音楽、所属バンド等について日々の覚え書き。

絵本『あさになったので まどをあけますよ』作・荒井良二

 

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 昨日の朝刊の読書コーナーに、私も持っているこの絵本が紹介されていたので、

私もその柳田邦男さんの紹介文も含め、ブログで紹介しようと思いました。

 

柳田さんは、「大人にこそ絵本を」という読書欄でこの荒井良二さんの絵本を、

精神性の深さという点で、この国の絵本新表現ジャンルの到達点というべき3作の中の1作として、

 

朝は、今日という一日の色を決めるだけでなく、これからの人生の色にもかかわる。

窓を開けると、目の前に広がる山、まち、川、空、海...

荒井良二の限りなく明るく力強い絵と「だから わたしは ここがすき」の言葉。

命の脈動音が聞こえる。

 

と、素敵なコメントで紹介されていました。

 

私もこの絵本は、読み聞かせでの使用目的というより、とにかくどの頁もこのように色彩がカラフルで豊かで、まるで絵画鑑賞をしているように素敵な絵本なので、自分のためにも欲しくなり購入しました。

 

 

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毎回「あさになったので、まどをあけますよ」から始まり、続いて様々な町や風景が次の頁に現れ、「だからやっぱり ここがすき」という一文で結ばれています。

 

2011年12月に刊行されたこの絵本は、東日本大震災の後、荒井良二さんが自分に出来る事をとの思いから制作されたそうで、新しい一日をむかえるために窓を開ける子供達、何気ない日々の繰り返し、その中にこそある生きることへの喜びを描いた作品だそうです。

 

窓の外に広がる様々な美しい景色、それはどこか懐かしさを感じさせる風景や外国の街並みだったり、原色の花が咲き乱れる南の島だったり、ドーンとした山の風景画一つとってみてもそこからエネルギーが伝わってくるようで、絵本の中だけで様々な場所を旅をした気分に浸れます。

 

この絵本、人気があるようなので持っておられる方も多いかも知れませんね。

 

私の読み聞かせ仲間の友達もこの絵本を持ってらして、やはり絵画が好きなその方と以前Lineで夕方話している時に、綺麗な夕日を見て「美術館に行きたい」と言われていたので、夕日から美術館を連想されるなんて素敵な感性だなと思ったわけですが、そういえば私も今年初め、久しぶりに見に行きたかった美術展があったのを思い出しました。

 

東京都美術館で1月末から3月末までの予定だった、こちらの『ハマスホイとデンマーク絵画』という展覧会です。

 

artexhibition.jp

 

このデンマークヴィルゲル・ハマスホイという画家の展覧会は、2008年に一度日本で開催されたそうで、その時も今回も私は全然知らなかった画家さんなのですが、この美術展の宣伝を見て是非行ってみたいなと思っていたのですが、新型コロナの影響で会期途中で閉館になってしまい見に行けず残念でした。

 

身近な人物の肖像や、風景、静まりかえった室内を多く描かれていたこのハマスホイさんは、北欧のフェルメールと呼ばれているそうで、中でも一番興味があったのは、こちらの「室内―開いた扉、ストランゲーゼ30番地」という絵でした。

 

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 各部屋のドアが開かれた状態のこの絵は、静寂な中にもなんとも不思議な味わいがあって、ドアとその暗がりのコントラストといい、想像力を掻き立てられる作品ですよね。

 

今回の絵本に関連してのタイトルを私が付けるとするならば、

「あさになったので ドアもあけますよ」ってな感じでしょうか(笑)

 

また、日本で開催されて見られるチャンスがあったらいいなと思います。

 

 

ブログはいつも夜UPしているのですが、今回紹介した絵本のタイトルに合わせて朝のUPにしました。

皆さん、良い一日を(^^)/