今話題の映画『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ監督)を観て来た。
ブログでも皆さん続々と感想を書かれているけれど、カンヌ国際映画祭の最高賞である
パルムドールに輝いたという事もあり、私も公開を楽しみにしていた。
昨日はレディースデーでもあったせいか、平日夕方からでもほぼ満席状態。
韓国映画は、2年前に観た『夜の浜辺でひとり』以来だったかな。
ネタバレ厳禁らしいので詳しくは書かないけれど、内容に一切触れることなくご覧になりたい方は、この記事読まない方がいいかもです。
☆ ☆ ☆
あらすじは、半地下で暮らす全員失業中の家族の長男が、友人の協力により裕福な一家の家庭教師になったことから、半地下家族が裕福一家に次第にパラサイトして行き…
という悲喜こもごものストーリー展開。
序盤は笑えて、中盤からハラハラドキドキのスピード感溢れる展開になり、切ないラストまで全く飽きることなく鑑賞出来た。
特に序盤での貧乏な半地下家族の描写が面白く、夕食時、父親の「Wi-Fi電源に乾杯!」という台詞一つとってみてもツボにはまる箇所多く笑えた。
その長男が、家庭教師として初めて訪問した時の、美しい豪邸の内外の素晴らしさには目を見張るものがあった。
元々建築物に興味津々なので、こんなお洒落な家一度でもいいから見学してみたいなぁと憧れと共にワクワクしながら観た。
格差の象徴として、高台と半地下、匂い等様々な描写で表現されていたけど、両家の窓の造りもその一つだと思った。
豪邸の大きな窓と、半地下の小さな窓。
社長一家が住む豪邸の方は、外の美しい庭の芝生が眺められ、家の中にサンサンと日が降り注ぐ大きな窓。
まるで、今にもTV番組「建物探訪」の渡辺篤史が「これはこれは、見事な大開口の窓ですね~!」と登場して来そうだ。
(この番組、実際この映画のような大開口の窓がある洒落たデザインの邸宅が多い。)
片や半地下家族の方は、悪臭漂う裏路地を見上げる小さな窓。
ラストでの胸にグッと来る切なさは、遠くからお互いを思いやる点でも、自分の中では『シザーハンズ』のラストを思い出させるような、それと共通した切なさだった。
このラストでも、外と内からの窓辺での場面が印象的だった。
後半から衝撃的な展開になったけど、最初から最後まで半地下家族の一致団結した仲の良さが伝わって来たのも良かったし、格差社会について改めて考えさせられるいい映画だった。
話が進むにつれて様々に変わる、ソン・ガンホ演ずる存在感ある父親のアップの表情が忘れられない。
映画館を出て、思わず自分の腕の匂いを嗅いでしまった(笑)