つるひめの日記

読書、映画、音楽、所属バンド等について日々の覚え書き。

映画『ガーンジー島の読書会の秘密』を観て来ました。

 

f:id:tsuruhime-beat:20191010211721p:plain

 

何年も前に観た、『ジェイン・オースティンの読書会』が面白かったので、同じく読書会というタイトルが付いた、イギリス・フランスの合作映画である『ガーンジー島の読書会の秘密』を昨日観て来ました。

8月末から公開されずっと気になっていたのですが、まだやっていて良かったです。

 

1946年のロンドン。作家のジュリエット(リリー・ジェームズ)は一冊の本をきっかけに、チャンネル諸島ガーンジー島の住民と手紙を交わし始める。ドイツの占領下にあった第2次世界大戦中、島ではエリザベスという女性が発案した読書会がひそかに行われ、島民たちの心を支えていた。本が人と人の心をつないだことに感銘を受けたジュリエットは、取材のため島を訪れる。(yahoo!映画より)

 

ガーンジー島とは、第二次世界大戦中に英国で唯一ドイツの占領下にあったチャネル諸島の一つので、フランスに近いイギリス海峡に浮かんでいる島だそうです。

 

とても風光明媚な景色で、大画面で見たのもありため息が出るような美しさで、是非一度訪れることが出来たらなぁ思いました。

島の風景の他にもイギリスの街並みや石造りの家々も可愛く、部屋の様子もお洒落でしたが、1940年代のファッションもまた素敵で楽しめました。

 

その島に住む、読書会の一員であるドーシーという男性から、「島には本が無く、ロンドンで本を買える場所を教えて」と、作家ジュリエットの元に手紙が届き交流が始まります。その読書会に興味を持ったジュリエットは、取材記事を書くため島に渡り読書会メンバーと交流しますが、読書会発起人であったエリザベスが行方不明で、読書会の事を記事にされることにもメンバーから反対されてしまいます。

 

ジュリエット自身も戦争で両親を亡くしていて、その島の住人達も戦争により心に深い傷を負っています。

 

ジュリエットはエリザベス失踪の謎を追ううちに、エリザベスが常に自分の心の声や信念に従って行動する女性であったことが分かり、観ているこちら側にもそれが大きな感動となって胸に迫って来ましたが、人生の選択に悩んでいたジュリエットも触発され自身の行動にも繋がって行きます。

 

見終わって、深い味わいと余韻を残し、美しくとてもいい映画だと感じました。

 

戦時中、同じイギリス人の中にも裏切り者はいるし、敵国であるドイツ軍人の中にも善良な人間はいるという事も描かれていました。

 

 

印象的なシーンは、ジュリエットは読書会の人々と会う前から何故か絆を感じていて、初めて会った時も懐かしく感じ、メンバーの一人の女性から、「(手紙を交換していた)ドーシーとは前世でも会っていたのでは」と言われ、それを聞いたメンバーの老人が焼き餅をやいて「私とは来世で会おう」と言ったのがウイットに富んでいて面白かったのですが、初めて会った人でも、何故か懐かしさ感じた経験が私も含め誰にでもあるのではと思いますが、それも前世で関係があった人だからかもと感じました。

 

それから、

「本には帰巣本能があって、相応しい読者にたどり着くのだろうか。」

という台詞も印象的でした。

 

この映画の原題は『The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society(ガーンジー島読書とポテトピールパイの会)』だそうですが、どうしてこの長い名前がこの会に付けられたかは、取り締まりの厳しいドイツ軍に尋問を受けてとっさに思いついた様子が冒頭シーンに出て来ます。

 

食料も乏しく行動も制限されていた戦時中、唯一の楽しみがエリザベスが開いた、こっそり持ち寄った食料やお酒での秘密のパーティーだったことからこの読書会が生まれたのですが、それは同時に、唯一人々の自由と尊厳を守った会だったという事ことが分かりました。

 空腹の中、皆で料理本を読んだ時が辛かったと笑って話していたシーンも印象に残りました。

 

 

ジュリエットを演じた女優リリー・ジェームズは、映画『シンデレラ』の時と同じく華があり美しかったでしたが、ドーシーを演じたミキール・ハースマンは初めて見たように思いますが、この俳優さんも若いのに渋くてとても素敵でした。

 

f:id:tsuruhime-beat:20191010211940j:plain

 

よって、この映画での「つるひめ賞」は、ミキール・ハースマンさんに進呈したいと思います。つるひめ賞って一体なんだよ!?ってご本人が知ったらきっと唖然とされるでしょうが、副賞は〇〇煎餅です(笑)。

 

ジェイン・オースティンの読書会』では、1つの作品を皆で語り合うという読書会だったと思いますが、この映画の読書会は朗読会の様な感じでした。

ブログ上で、好きな本や映画について語り合うのも楽しいなと感じます。

f:id:tsuruhime-beat:20191010212730j:plain

台風が近づいているので、皆さんお気をつけて!

つるひめでした。