先週、伊集院静原作の映画『駅までの道をおしえて』の試写会に行って来ました。
脚本・監督は、橋本直樹。
公開は、10/18(金)からです。
愛犬の帰りを待ち続ける少女と、先だった息子との再会を願う老人。
独りぼっちの二人が出会い、大事な何かを探す旅に出る。
会いたい相手がいる全ての人に贈る、新たな希望と出発の物語。
(映画のフライヤーより)
老人と女の子、大きな喪失を抱えた二人の友情を軸に、優しさと愛に溢れたファンタジー作品でした。
何と言っても、主人公であるサヤカを演じた新津ちせの愛くるしい表情と演技が素晴らしかったです。
新海誠監督の娘さんである新津ちせは、200名超のオーディションで役を勝ち取った直後から、愛犬ルーとの特別な絆を表現するため共同生活を開始。そしてその後1年間に渡って撮影し、サヤカの心身の成長をカメラに刻み続けたのだそうです。
サヤカの友人役となるフセ老人役には、映画『沈黙』にも出演し、パリを拠点に俳優・演出家として活躍されている笈田ヨシ。この笈田さんの演技にも泣かされました。
フセ老人は喫茶店店主なのですが、この喫茶店もレトロでいい雰囲気でした。
サヤカの両親役に坂井真紀と滝藤賢一、他、マキタスポーツ、羽田美智子、塩見三省、市毛良枝、柄本明、余貴美子など、脇役の方々も皆温かく、サヤカをそっと見守る優しさで包まれた作品で、10年後のサヤカを有村架純がモノローグで表現していました。
サヤカの祖父役を演じた塩見三省さんは、台詞こそほとんどありませんでしたが、妻を偲ぶその表情からは言葉以上の哀切の気持ちが伝わって来ました。
その祖父に黙って手を重ね寄り添い、悲しみを分かち合うサヤカとのシーンにもジーンと来ました。
サヤカとフセ老人の二人が大事な何かを探しに行った海での場面や、それを回想するフセ老人の場面では思わず涙しました。
愛犬ルーと見つけた秘密の野原、そこで見つけた不思議な線路、野球ボール、映画タイトルの意味、全てがラストで繋がり感動的でした。
私も犬好きですが、住まいの事情等で今まで飼ったことはありませんが、もし飼えたら柴犬を飼ってみたいとずっと思っていました。なので二匹の犬、ルーやルースの登場場面にも癒されました。
この映画は、愛犬など愛するペットを亡くした経験のある方にはよりサヤカの気持ちが共感出来、胸に迫って来るのではと思います。
原作の方も、機会があったら読んでみたいと思いました。
この試写会では、後日300字程度の感想文を送らなければならなかったのですが、このブログの文字入力画面は文字数が出るので、一旦こちらに書いてから送ったので便利な機能だと思いました。
同じく愛犬のストーリーである現在公開中の『僕のワンダフル・ジャーニー』も、前作の『僕のワンダフル・ライフ』がとても良かったので見に行きたかったのですが、今月は見たい映画が続々あるのでちょっと無理そうで残念なのでした。