つるひめの日記

読書、映画、音楽、所属バンド等について日々の覚え書き。

映画『ロケットマン』を観て来ました。

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以前から公開されるのを楽しみにしていた、イギリスの世界的ミュージシャン、エルトン・ジョンの自伝的ミュージカル映画ロケットマン』を先日観に行って来ました。

ボヘミアン・ラプソディ』で、降板した監督に代わり映画を完成させたデクスター・フレッチャーの監督作品。

 

両親が不仲で諍いが絶えず、祖母以外どちらの親からも愛されなかったエルトンは幼少期から孤独を募らせていたけれど、ピアノでの音楽的才能を認められ、王立音楽院に進み、その後ロックに目覚め、作詞家バーニー・トーピンと運命的な出会いを果たして音楽活動の乗り出し、二人のコンビで次々に世界的ヒット作を生み出していくが・・・

というストーリー展開で、数々の名曲がライヴやミュージカルで華々しく表現されていました。

 

 

エルトンジョンは、その楽曲の良さもさることながら、何と言ってもあの伸びやかで張りがあり、温かみもある声質そのものが昔から大好きで、高校時代からファンになりました。

高校の文化祭で、『クロコダイル・ロック』の曲を部活の発表で使ったのも懐かしい想い出です。

 

また2007年11月に、武道館でのピアノソロライブを見に行ったのも懐かしいです。

その時はさすがにピアノソロライブだったためか、映画に出て来るような奇抜な衣装ではなく、赤いタキシードがキラキラ光っていたのは覚えていますが、その時も艶やかな素晴らしい歌声を聴かせてくれました。

 

ただその時は、一番好きな『グッバイ・イエロー・ブリックロード』をやってくれなかったのが残念で、また機会があるならばバンド形式のライヴで、ロック曲の『土曜の夜は僕の生きがい』や『クロコダイル・ロック』なども是非聴いてみたいと思ったものです。

 

 

この映画では何と言っても、エルトンを演じた役者であるタロン・エガートンの吹き替え無しの歌声が素晴らしく、まるで本物の歌声のようでした。

 

そして、バーニーが手渡した詩を早速エルトンがピアノで作曲していく名曲「Your Song」誕生の過程が、詩も心に響いて来て感涙でした。

 

おっ!と思ったのは、ジョン・レノンビートルズファンでもあったエルトンが、自分の新しい名前を決める時に、ビートルズの写真を見てすかさずジョンの部分を取ったという描写がありましたが、そのエピソードは本当なのでしょうか・・・


そういえば、ビートルズやジョンが大好きなBilly Joel の名も、Bはビートルズから、Jはジョン・レノンからとったときいたことがあります。

 

確かにエルトンジョンはビートルズの曲「Lucy in the Sky with Diamonds」をカバーしたり、ジョン・レノンはとくに仲良しだったみたいで、ジョンの曲「真夜中を突っ走れ」にピアノ&歌で参加したりしてましたよね。

 

それから、エルトンのアメリカデビュー公演では、レオン・ラッセルビーチボーイズ、ニール・ダイヤモンド等の大物ミュージシャンが見に来てくれたという場面にも、へぇ~そうだったのかと思いましたが、その客席でエルトンをじっと見ていた男性が髪型も昔のニール・ダイヤモンドに似ていたので、あれがニールかなと思ってたら、後にエルトンのマネージャーになるジョン・リード役でした。

 

 

映画では、有名になったからこその悩みや孤独を募らせ、次第にアルコールやドラッグに溺れて行くのも、フレディ・マーキュリーやこの頃の多くのロックミュージシャンと同じだと感じましたが、ゲイであることや、親から愛されなかった故の孤独感もずっと引きずり、それらのエルトンの苦悩が画面からヒシヒシと伝わって来ました。

 

映画はエルトンが断酒セラピーの会に参加している場面から始まりますが、この場面が所々挟まれるのは、前に観た映画『ドント・ウォーリー』にも似ているなと感じました。

 

そんな孤独なエルトンは作詞家バーニーとだけは、離れた時期はあったものの互いに信頼し合い、生涯の友情を育めたのは本当に良かったなと思い、バーニーがエルトンに向かって「兄弟だ」と何度か言う台詞にもグッと来ました。

 

バーニー役であるジェイミー・ベルが醸し出す、温かで優しい雰囲気もぴったり役にはまっていて素敵でした。

 

このジェイミー・ベルは、かなり前に観た、イギリスの小さな炭鉱町でバレエダンサーを夢見る少年の成長を描いた映画、『リトル・ダンサー』での主人公ビリー・エリオット役をやった俳優で、いい青年に成長したなと感じましたが、この『リトル・ダンサー』もとてもオススメの感動作でした。

やはり昔から好きだったグラムロックバンドであるT-REXの曲が使われていたのもありますが、流れる曲がまた良かったです。

 

T-REXと言えば、やはりかなり前に、今は無き吉祥寺バウスシアターでの爆音上映で観たT-REXドキュメンタリー映画『ボーン・トゥ・ブギ』は、リンゴ・スターが監督を務め、リンゴやジョン・レノンエルトン・ジョンなども出演していて、これもノリノリで楽しい感動作でした。

 

 

話が脱線してしまいましたが、昔はエルトンのLPレコードも買ってた私ですが、長年の間にエルトンはずっとシンガーソングライターだと勘違いしていたようで、この映画を観て作詞家は別だったことに気付きました。

「Your song」だけでも、作詞もエルトンかと思っていました。

バーニーとエルトンは、本当に相性抜群のいいコンビであり相棒だったのですね。

 

 

エルトン・ジョンの曲で、日本人が一番好きな曲ときかれたらたぶん「Your Song」が1位ではと思いますが、私もこの曲ももちろん大好きですが、昔から一番好きなのは先にも書いたアルバム「黄昏のレンガ路」に収録された「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」でした。

 

この曲のタイトルは、「オズの魔法使い」の話の中に出てくる、黄色いレンガ道(エメラルドの国へ続く道)からとられているんだそうで、「オズの魔法使い」は初めて読んだ時からはまってしまい、小学生時代は繰り返し読んだ大好きな物語で、このジュディー・ガーランド主演の映画をテレビで初めて見た時もとても感動しました。

 

なのでそのタイトルからして好きでしたが、この曲を歌うエルトン自身も、郷愁をかき立てるような歌声で、出だしからサビに向かってどんどん盛り上がっていく曲調も良く、本当に今でもとても大好きな1曲です。

この映画の後半でも、この曲が流れるとその歌詞と相まって胸にジーンと来ました。

 

エンドロールの映像では、役のエルトンとその場面での実際のエルトンの写真の対比が映ってましたが、子役とエルトンの子供時代が特にそっくりだったのにもびっくりでした。

 

同じ監督作品である『ボヘミアン・ラプソディ』と比べてしまったら、私はやはりライブエイド場面も圧巻のボヘミアンの方が感動しましたが、この『ロケットマン』も、エルトンの知らなかった幼少時代含め色々なエピソードも分かったり、懐かしい名曲の数々を煌びやかな映像美と共に楽しめた映画でした。

でも、男性同士のベッドシーンは見たくなかったと思いましたが^^;

 

 

連ドラ中毎回楽しみに見ていた『おっさんずラブ』も映画になったので、これもこの前観て来たのですが、こちらは同じ男性同士の恋愛話でも、映画でもそういう際どいシーンが無かったので良かったでした。

 

連ドラ中もそうでしたが、映画でも主演3人の他にも脇役皆さんそれぞれキャラが立っていて楽しく、コミカルで笑いあり涙ありの話に仕上がってましたが、刑事物みたいなサスペンスタッチにしたのが余計な感じに思えました。

なのでこちらの映画は、ドラマを見ていないと良さが伝わらないのではと感じました。

 

 

 

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