つるひめの日記

読書、映画、音楽、所属バンド等について日々の覚え書き。

映画『世界の涯ての鼓動』を観に行った後に、笑いヨガ体験。

 

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先週16日は、単館上映の映画『世界の涯ての鼓動』を日比谷へ観に行って来ました。

監督は 『ベルリン天使の詩』などのヴィム・ヴェンダース。 

 

お互いそれぞれ極地での任務の前、束の間の休日を過ごしたノルマンディーの海辺のホテルで出会った男女が恋に落ち、それぞれの任務地で連絡が取れないまま、生きて再び相手に会えることをひたすら願い思い合うというストーリー。

「極限化に置かれた男女のラブサスペンス」ということで観に行って来ましたが、観終わってとても余韻の残る映画でした。

 

何と言っても、二人が初めて出会うとても美しいノルマンディーの海辺や、雄大グリーンランドの海などの景色が綺麗で素晴らしく、そして主役の恋する二人が美男美女なのも相まって、大きいスクリーンでの映像美を充分堪能することが出来ました。

お互いを見つめる時や相手を思う時の二人の真摯な眼差しも何とも切なくて、それもとても印象的でした。

 

生物数学者である女性ダニーには、グリーンランドの深海に潜り地球上の生命の起源を解明する調査が控えていて、MI6の諜報員であるジェームズには、南ソマリアに潜入し爆弾テロを阻止する任務が待っていました。

 

お互い死と隣り合わせの任務地へ向かう前に、孤独な魂が惹かれ合い、その道のプロだけど全く分野の違う魅力的な二人が恋に落ちるのは、とても自然な成り行きのように感じました。

 

知的な二人の会話も魅力的で、出会って初めて一緒に食事した時に、生物数学者である女性ダニーが、スパイであるという身分を隠しているジェームズに目を瞑らせ、光の届く海面近くから光の届かない海底の世界までの海層をイメージさせる場面があるのですが、その会話はまるで人間の表面上の意識から、全ての意識が繋がっていると言われている深層無意識を連想させるような、哲学的な感じがしました。

 

「人間の大部分は水で出来ている」というような台詞も出て来るように、すべては水で繋がっているようなイメージがありました。

 

海辺のホテルで離れがたい別れを惜しんだ後、ジェームズと連絡が取れなくなってしまったダニーは、「目の前に見えることを、あなたと話したい」と何度もメールを送るけど、そんな言葉からも詩的な雰囲気が醸し出されていました。

 

詩的と言えば、劇中何度か登場する詩も印象的だったのですが、作者を調べてみたら、17世紀のイギリスの詩人ジョン・ダンの「瞑想録第17」という詩だそうで、ヘミングウェイはこの詩の一節から「誰がために鐘は鳴る」を取り上げて自分の小説の題名にしたんだそうです。

 

「戦場で鳴り響く鐘の音は戦死した人だけでなく、それを聞く者すべてのために鳴るのだ」という意味なのだそうで、詩をここに一部分引用して紹介しておこうと思います。

 

何人も孤立した島ではない。

いかなる人も大陸の一片であり、全体の一部である。

だがいかなる人の死も、私の一部を失った気にさせる。

なぜなら私は人類の一員なのだから。

それ故私はあなたがたに言いたいのだ。

あえて知ろうとするには及ばない、誰がために鐘は鳴るのかと。

それはあなた自身のためにも鳴っているのだから。

 

人は孤独ではなく、世界は皆繋がっているのだという示唆もあるように感じました。

 

絶景と二人の思いが心に沁みる映画でしたが、ジェームズが拉致されたソマリアでのシーンは目を覆いたくなる場面の連続だったので、もう一度見たいかときかれたら、もういいかなと思います。残酷なテロリストの中にも、人間性を感じられる人もいたのですが。でも、深い余韻が残るいい映画であったことは間違いありません。

 

そしてラストシーンも曖昧で、観客に委ねる感じでしたが、エンドロールでは、余韻に浸るのにはぴったりの静かで美しい曲が流れていました。

 

 

映画館近くのミッドタウン日比谷前の広場では、夏休み中のためか「超ふつうじゃない2020展」という参加型のイベントをやっていて賑わっていました。

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その後は夜、友達が何度か通っている「ラフターヨガ」体験に誘われていたので行って来ました。

 

「ラフターヨガ」とは、笑いとヨガの運動・呼吸法を組み合わせたエクササイズだそうで、1995年にインドの医師が考案して最初はインドの公園でたった5人から始まり、それから世界に広まり、日本にも笑いヨガの協会が出来たそうです。

 

人間の身体は、作り笑いと本物の笑いの区別はつかないので、どちらも身体的・精神的な効果を得ることが出来るそうです。

 

気分が落ち込んでいる時、口角を上げたり、部屋の中だけでもグルグル歩き回ってみると気分が上がると言われているように、心と身体は繋がっているという事なんだろうと思いました。

 

参加者と和になって、笑いながら、または掛け声をかけながら色々な運動をするのですが、皆が笑っている顔を見ただけで、こちらも伝染してくるような感覚でした。

友達以外は知らない人ばかりだったので照れもありましたが、暫し童心に帰って楽しむことが出来ました。

 

最後は皆仰向けで寝ながら、波のBGMと共に講師が鳴らすクリスタルボールのクリアな音色に耳を傾けながらクールダウンをしました。

クリスタルボールの調べを実際聴いたのは初めてでしたが、精神が浄化されたり夜よく眠れるような効果があるらしいですが、本当にそんな気がして癒されました。

暫し 目を瞑りその音色に聴き入っていると、映画の美しいシーンが蘇って来ました。

 

帰ってから、この夏唯一楽しみにしているドラマ『セミオトコ』を見て、また癒されて眠りに着きました☆

 

噂によると最近笑いヨガ教室を開く人が多いそうですが、地球上が笑いで包まれて行くのはいいことだと思いました。