先日読んだ小説「日日是好日」がとても良かったので、映画が終わらないうちに先週末観に行ってきた。
ストーリーは、先日小説の感想の時書いたので省きますが、著者、森下典子さんが20歳から茶道を始め、25年間お茶を通して人間的にも成長していくお話。
先ず最初の方で、主人公・典子達がお茶の先生である武田先生の家を始めて訪問した時に、ガラッと開けた玄関に武田先生ふんする樹木希林がにこやかに
「いらっしゃい!」と登場する場面でもう涙が溢れて来る。
もうこれで樹木さんは見納めかと思い・・・
樹木希林は茶道の心得があったのかは分からないが、その所作の自然さ美しさは本当に長くお茶の先生をしていたのかと思うほどだった。さすが名女優さん。
茶室から見える庭の季節の移ろい、自然の美しさも描かれ小説のイメージ通りの、静かで美しい映画だった。
特に、主人公典子が夏の暑さの中、先生の茶室にたどり着き、そこの掛け軸に書いてあった「滝」という一文字から、滝の涼しさを一瞬で感じる場面での実際の滝の轟音や、茶室から聞こえる外の激しい雨音などは、映画館でしか味わえなく、典子の気持ちを追体験出来た。
年明けに、お弟子さん達皆が武田先生の家に集まる初釜で、武田先生が「私思うんですよ、こうして毎年同じことが出来るのが幸せなんだって。」という台詞があるが、まるでその時の樹木希林さん自身の正直な気持ちも反映されたのではないかと胸に響いた。と同時に、年を重ねてきた自分自身にもその台詞がストンと納まる。若い頃だったらピンと来なかったかも。
それもこの小説にも映画でも描かれていた、「世の中には直ぐ分かるものと分からないものがある。直ぐ分からないものは長い時間をかけて、少しずつ分かって来る。」ということの一つかも知れない。
一つ気になったのは、小説では登場しない、父親が亡くなった時典子が海岸で泣き叫ぶ場面があったが、それは映画「道」の中にもあったように記憶しているので、それを確かめるためにもやはりもう一度「道」を見てみたいと思った。
配役も、樹木希林はじめ、黒木華、父親役の鶴見慎吾などもぴったりだと思った。
樹木希林にお別れのつもりで見に行ったが、映像の中ではまたいつでもお会いすることが出来ますね。
「今」は直ぐに「過去」になるから、今この時を大切に味わえるよう毎日を送れたらいいな。
この作品を通じて、人生哲学にも通じる茶道の奥深さを知ることが出来た。
昔、和菓子目当てでお茶にちょっと通っただけの、あの頃の私に教えてあげたい('◇')ゞ
映画の後は、中学時代の友人達とイルミネーション巡りの待ち合わせで、女3人で渋谷の青の洞窟などへ。クリスマス前だったから人も多くにぎやか。その後夕食食べて暫しおしゃべりを楽しんだ♪