先週土曜日は、図書館での「読み聞かせ」でした。
今回私は紙芝居の担当だったので、
『ちょうちんおばけ』(脚本・やえがしなおこ/絵・市居みか)を演じました。
夏はやっぱりおばけの話がいいかなぁと。
市居みかさんの絵は好きで、以前も『いっぽんみちをあるいていたら』の絵本を読んだことがあります。
この『ちょうちんおばけ』は、
破れて使いものにならなくなり蔵の中に放っておかれた提灯がお化けになり、何とかして自分の灯りで皆の役に立ちたいと思っているけれど、皆怖がって逃げてしまい、がっかりするが…。という、最後は心温まるお話。
提灯の破れた部分がちょうど口になっているその顔もユニークです。
「おーい、だれかちょうちんをもってこーい!」という庄屋さんの声に、
「およびでー!」とぱっちり目を覚ましたちょうちんおばけ。
この素朴で可愛いおばけは、何となく『ちびまる子ちゃん』でのまる子の同級生である「山田君」が思い浮かんできて、その声をイメージして練習してみました。
(いつも、「アハハハ」と陽気に笑っている山田くん。)
でも、登場人物の声で一番気分よく出来たのは、庄屋さんの威張った声でした^^;
当日は、隣のホールで人形劇のイベントがあったので、そのお客さん達も終わったら見に来て下さり、人数制限のあるお話ルームと外に設けたブースでは席が足りなくて、何組かの親子の方はお断りしたので申し訳なかったでした。
感染対策で、アクリル板の外側に紙芝居舞台を出してやるのがまだ慣れないのと、アクリル板のこちら側でマスクをしたまま部屋の外、遠くのお客さんまで声がはっきり聞こえたかどうか分からず、もっと声を張れば良かったかなと感じました。
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それから、先月は「読み聞かせのためのボイストレーニング」という講習会を図書館で受けて来ました。
イタリアやニューヨークに留学し、オペラやミュージカルの他、体の仕組みや言語発声等を学ばれたそうで、ステージ以外でも、各地でボイストレーニング講習会の開催、歌手や音大生、アナウンサーの指導も行っているそうです。
以下の項目について実践を交え話して下さいました。
- 発声について
・声とは? 響き=空気の振動
真空状態の月では、声は響かない。空気があればあるほど響きは増幅される。
・声の出るしくみ→体は、息を通して奏でる楽器である。
これらは、息の通り道である。
2. 腹式呼吸とは?(横隔膜と骨盤底筋)
3. 全身運動
先ず、楽器である体のトレーニングから。
・天井を掴む(片腕ずつ。脇が伸びる。)
・腕回し(腕は真っ直ぐ横に伸ばして上下に。同じく逆回転も。)
・腕振り(真っ直ぐ前を向いたまま。)
・前屈み(椅子に座り肘をつき、おじぎをする。そして、頭をブラブラ、息を吐く、ゆっくり戻ると息吸える。)
・緩めるマッサージ
頭皮―顔-首の後ろーぼんの窪-鎖骨内側
・スクワットーオランウータンのイメージで、鎖骨をへこませ柔らかくさせる。
4.姿勢
・立つとき、座るときの重心の取り方について
5. 鼻から息を出す
・親指で鼻をふさぐ
・顎関節、こめかみを緩める(もぐもぐ、熱々の芋をホクホク食べるイメージで。)
以上の項目で、全身運動では、吐く息のことだけを考えてやるといいとのことでした。
お話の中で特に印象に残ったのは、
声を出すことはスポーツであるということ。
海外では、歌い手に限らずモデルなどステージに立つ職業の人たちは「身体の地図帳」という書籍を使い、ボイストレーニングを学ぶのが当たり前なのだそう。
それは、立ち居振る舞いにも大きく影響を及ぼすからだそうです。
歌い過ぎてよく喉にポリープが出来るというのは、正しいボイストレーニングで防げるとのこと。
緩めるマッサージの時の話では、肌も呼吸をしているので、触るということは、空気を取り込んでいるのと同じであるとのこと。
産毛の毛並みに沿って撫でると穏やかな気分になり、奮起したい場合は逆撫でる感じが良いそう。
頭皮から、自分で優しく撫でる感じで続けていくと効果があるそうです。
当日使用され紹介された教材の中で、『身体で覚える!自然な歌声 田中式発声法の手引き』(田中房子・著/音楽の友社)が、特に読んでみたいと思いました。
著者の田中房子さんは、今回の講師藤田さんの師でもあり、約50年前ベルギーに留学し、長年日本で発声指導を続けて来られた方だそうです。
こういった時期ですので、ボイトレといっても皆で声を出す実践は出来ませんでしたが、全身運動は皆で間隔を取りやってみました。
今までの読み方についての「読み聞かせ講習会」とは違い、ボイトレ経験は初めてだったのでとても興味深く参考になりました。
音楽活動にも大いに役に立ちそうです♪
最後に、夏になると特に聴きたくなる爽やかな曲を1曲。
イギリス・マンチェスター出身のロックバンド、ニュー・オーダーの『クラフティー』。以前、CMでも使われていました。
アルバム『Waiting For The Siren's Call』に収録されているこの“Krafty” は、ボーナストラックに日本語バージョンが収録されていて、それがこちら↓
この日本語バージョンは、ニュー・オーダーが、2001年フジロック出演で日本を訪れた後に生まれたアイデアだそうで、日本でとても楽しい時間を過ごせた日本の皆へのお礼の意味で制作されたそうです。
そしてオリンピックでも、開催するからには、海外からの選手にも日本での楽しい思い出を、少しでも多く持って帰ってもらえたらいいなと思います。この大変な状況下であっても。
現実の世界は美しい場所
山も湖も 人間だっている
この場所が好きなんだ
もう一回だけチャンスが欲しい
もう一回だけ
(Krafty 和訳歌詞より抜粋)
歌詞の好きな箇所を繋ぎ合わせたこの部分だけ読むと、まるで「ちょうちんおばけ」の気持ちにも通じているような気がします(^-^)